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拝啓、愛しのペリカンウナギ殿。
 ┗360

360 :跡部景吾
2012/08/22 15:59


杏と俺の自室で。…こう書くと疚しい事でもありそうだが、誓って健全なデートだったと言って置く。
昼の待ち合わせ、家の車で杏の家まで迎えに。久し振りの逢瀬だが色々と変わってねえ様で安心した。
変われないと本人は言っていたが、変わる事がいい事なのかは俺には分からねえ。
アイツは何時も「夏の終わりは、変われなかった寂しさで息が苦しくなる」と言っていた。
――変わらなくても、きっと成長の形はあると何処かで俺は思っている。もしかしたら、そう望んでいるだけかも知れねえ。自分が変われないだけだ。


俺の家では、プールへ。自宅にプールがあるのはうち位だと言ってやがったが、まさかそんな事はねえよな。
水着は俺が用意しておいた中から、ピンクのビキニをチョイス。
ワンピースタイプしか着ないッつう事を見越して、セパレートしか用意しておかなかったンだが。


胸元は多少なりとも成長していたが、由美子サンとは比べるな。良くも悪くもキャリアが違ェ。女としての。
後はお年玉と誕生日プレゼント、あげていなかった分も込めて少しだけ奮発した物を。
選んだのはショ/パー/ルの腕時計。会う約束が決まってから、インペ/リア/ーレをプレゼントとして用意した。
恐縮していた様だが、喜んで貰えて叔父様としては何よりだ。因みに俺の足は影でなくとも長いぜ。


杏の事はアイツに頼まれていたが、今ではそんな事は関係なく大事に思っている。
プラシシの日記にも書かれていたが、別段俺は「アイツの友達」という気持ちで仲良くしている訳ではない。ただこれまで碌に交友関係に気を遣って来なかった報いか、おそらくそういう風に映っちまう部分が有るのかも知れねえな。
アイツの頼みならば確かに何でも聞くだろう。ただ俺は俺のプライドを持って、仲良くしてくれる友人と付き合っている。其処にアイツは関係無いのだと、プラシシは気付いてくれていた様で安堵したンだが。
この日記についても、「もう俺の日記だ」と杏に言われて喜ぶ俺が居る。
アイツの文字を無くしたくない一心で始めた日記だが、今は俺にとっても大事な一冊になった。
時間は掛かるだろうが、書き切ってみたいと思う。
分厚くなったノートを捲る時、切なくとも喜ばしくいられる事を信じて。

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