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拝啓、愛しのペリカンウナギ殿。
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跡部景吾
2007/06/16 08:47
いきなりの雨、此の侭梅雨入りかと思えば次の日には快晴。
天気だってとかく気紛れな此の世の中、人間についてもきっと大した違いは無ェ。
其れでも、譲れない物もある。
どうしても割れる事の無かった胡桃の実を、諦めと失望の最中に投げ捨てた。
力を込めて、何とかこじ開けようとして。
余りに頑固な其れに何故か自分を重ねちまってた俺は、何をしても無駄なのだと分かればやっぱり勝手に幻滅していた。
言葉にならない気持ちに溺れそうになって、自室のベランダから庭へと落とす。
例えば映画や小説の中ならば、力を込めて遠くへ投げ飛ばすのだろうか。
そんな取り留めも無い言葉だけが形になって、希望の滑り落ちた掌からは何もかもが消えた、様に見えた。
何故そうまで頑なに拒む。
幻滅したのは、其れが余りに臆病者に見えたから。
変われば良い。
やがて寝転んだ視界の隅に芽吹いたばかりの微かで確かな存在に気付くのは、もう暫くは先の話―…
>馬ァ鹿、此の頑固者が。
思わず零れた言葉は、戸惑う程に軽やかだった。
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