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拝啓、愛しのペリカンウナギ殿。
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55 :
跡部景吾
2007/09/11 08:43
9月になったとは言え、残暑はかなり厳しい。
そんな中岳人が珍しく気を利かせて買って来た缶ジュース、遅く行った俺様に残されたのは炭酸飲料が1つだけ。
>...Jesus,
嫌な汗が背中を伝うのが分かった。
俺は缶ジュースの炭酸は有り得ねぇっつうかみんなどうやって飲んでやがるんだ、と常々思って来た人間で。
とは言え協調性ゼロだの何のと他校に言われがちな俺だが、一応の調和は重んじる。
つまり、レギュラー陣が揃って談笑する其の空間への誘いを簡単に一蹴ってのはしたくねぇ。
…クソ、何か理由を探せ。
否、嘘は吐きたくねぇ。
ほんの数刹那に色んな考えが頭の内に浮かんでは消えていく。
そして手渡された缶。
…、…やってやろうじゃねぇの!
妙な男気が胸の中で燃え、即座にプルトップに手をかける。
…幾度か挑戦してから樺地に開けさせると其の侭喉へ流し込んでやった。
一気に飲み干してから机の上に小気味良い音を立てて空になった缶を置くと、さっきまで話に夢中になってたヤツらが目を皿の様にして俺を見てやがる。
…何だよ、
居心地の悪さに眉を寄せながら問えば、拍手喝采。
…、…は?
「跡部って格好ええな!」
―今更だろ。
「マジマジ、見直しちゃったC~!」
―直す必要無ェ位最初から見ておけ。
「いや、見応えあったよなー!」
―何故跳ねる。
「本当、跡部さんがそんな一発芸披露してくれるなんてびっくりです!」
―…一発芸?
「激ダサだぜ」
―炭酸飲料がか。
結局「何時から練習してたんだ」だのとさながらヒーローインタビューの様な質問責めが始まり、訳の分からない俺。
>「…出来るだけ早く飲むンだろ?昔から缶ジュースってのはスリリングな飲み物だと思ってたンだよなァ。」
…一瞬、其の場の時間が止まった様な気がした。
それから奴らの異様なまでの大爆笑。
…、…は?
まさかとは思うが、俺は何か変な事を言ってンのか。
レギュラー陣に尋ねても吹き出すだけで答えちゃくれねぇ。
…とは言え誰かに聞くのは気が引ける。
疑問を其の侭にしておくのは気分が悪ィので、忘れない様日記帳に書き込んで置いた。
忍足が風邪を引きやがった。
夏風邪は馬鹿が引く、ってのは強ち間違いじゃないらしいぜ。
折角なんで先人の知恵にあやかり、葱で首を思い切り絞めてやったぜ。
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