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拝啓、愛しのペリカンウナギ殿。
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83 :
跡部景吾
2007/11/14 13:08
大した話ではなかったのかも知れねぇ。
監督の言い付けで音楽準備室に行ったら、不用心にもピアノの鍵が開いていたと云う、だけの話で。
其の音が無性に聞きたくて、今日ばかりは誓いを緩めた。
「シ.ョパンの夜.想曲、1番。」
不意の、声。
音に誘われたらしい監督のリクエストは、余りと言えば余りに俺を鬱蒼とさせやがる物で。
「…御自分で弾かれては。」
感情を潰した声を覆い隠す様に、聞きたくない、と。
「あの曲」だけは聞きたくないと、呟くから。
「―…もう俺は、弾きませんよ。」
貴方の、前では。
続く言葉は、永遠に心の中に。
口に出さなかった其れが、何時か消えてくれたなら、と。
淡い期待を抱いて。
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