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月時雨に詠う
┗206
206 :
忍足侑士
2011/08/07 23:23
驚く位の豪雨と雷を尻目に乗ったバス、駅に着く頃には雨も雷も収まって、霄には朧月が浮かんどった
雲の切れ目から覗く月を眺めながら歩く道、
なんや月が泣いとるように見えて、不意に景吾ん殊想い出した
共に過ごす時間、
今はすれ違いばかりで景吾と碌に会話も出来へん日々が続いとるけど、
斯うして誰かと共に在る、其の時間はかけがえのないもので
決して当たり前の殊やないんやて、俺は何時でも想うとる。
…景吾には屹度、仰山寂しい想いさせとるんやろなて想う
おはようの時間さえ俺がまばらやから、最近は景吾から朝の聲も聞かれへんようになってしもたけど、
彼奴が寝とって、起きへんかて俺には関係ないんや、
ただいま、お休み、おはよう…毎日の感謝を挨拶て聲にして届けたい、唯俺がそうしたいて想うとるから。
景吾が居って、朝が始まる。
景吾が居るから一日が無事終わる…そないな風に考えとる。
>――寂しかったら腕から抜け出してもえぇんやで、
…なんて、独占欲の塊みたいな俺は口が裂けても彼奴にそないな理解ある殊謂うたれへん。
堪忍な、景吾。
…せやけど、抜け出すんやったら俺に解らへんように巧く遣りや?
雰囲気て如何為ても誤魔化せへんねやから、俺にはバレてまうで。
――と、釘だけは刺しながら。
景吾はそないな殊せぇへんて解っとるからこそ、謂える言葉。
>まァ、此の腕から離す気も更々あらへんねやから、其処だけはちゃんと覚悟しとき(笑)
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