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月時雨に詠う
┗212
212 :
跡部景吾(薄荷)
2011/09/06 23:52
台風が去った後の関東の霄は、雲さえ多いものの隙間から見え隠れする星の瞬き
…久々に晴れた残暑の夜霄を見た気がする。
――週末、臨んだシングルスの決勝戦中に降り出した雨は、コートで対峙する俺と相手の鋭気を削ぐかの如く全身を強かに濡らし
水滴で足場の悪くなるオムニの砂が靴底に絡んで身動きし難く、ステップの合間に不意に滑る砂に幾度か足を取られちまう不覚、
踏みしめたコート、滑る靴底を宥めながら臨んだタイブレーク、
勝利をもぎ取るために形振り構わずラケットを振ったのは事実。
…挫けそうになる意識を支えたのは、脳裏を過る愛しい御前の顔だった
>不覚、と言うには烏滸がましい程の初歩的な体力不足
一時間を超える試合でもぎ取った勝利と引き換えに、痛めて帰宅した躰の部位が生活の所々で悲鳴に喘ぐ。
…全く、自業自得っつうモンだぜ。
忙しさにかまけて怠った自己管理の不甲斐なさ。
体調の優れぬ儘、ベッドで静かに瞳閉じる彼奴を起こさぬように、緩り開いた寝室の窓辺に一人腰かけて見上げる夜霄
秋の霄が近いぜ、景。
>早く御前の温もりを堪能させろよ、
其れまでに、俺も此の痛みは完治させると約束するからよ
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