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SUPER LOVER...【ベリーサンクス!】
 ┗96

96 :仁王雅治
2007/12/20 01:01

此の時期の、陽が落ちた後の空気の匂いが好き。

空気もパリパリしとって、紺色の空には小さな灯が瞬いてて。
呼吸する度、体内に流れ込む痛い程の冷気。
そしてそれと交互に吐き出される白い温もり。
コラボレーション、表裏一体。

大好きなダチ共と、夜通しチャリで色んな処を徘徊し、寒さに震えながらもくだらない話を繰り返してた頃の記憶が鮮明に蘇る。
其れに嬉しくなり、チャリを漕ぐ速度を上げる。
騰がる息、其れに比例する様に頬に突き刺さる痛い位の風。

其の儘勢いに乗って一気に坂を駆け上がる。
頂上に着いた瞬間、止まる時間の流れ。
此の場所に俺一人。
此の世界に立つのは俺だけ。
そンな錯覚を胸に、一つ息を吐いて、今度は坂を下っていく。
真正面からぶつかってくる風に少しの羨ましさを預け。
こめかみに走る鋭い痛みに笑みが込み上げる。


#嗚呼、此の瞬間、俺は風になる。


脈打つ鼓動、軽くなる身体。
何でも出来る気がする。
其の儘空も飛べそうな。

此の儘目を閉じて、両手を広げたら彼の小さな灯に手が届くのか、と。


―其れでも坂を下り切れば現実に引き戻され。
何事にも終わりは来る…―

だけど胸に残る想いはホンモノ。
信じたい。
例え終わりが来たとしても、消えないモノも有る、という事を。
忘れたくない。
胸に灯った小さな光を。
そして願う。
どんどん新しいモノに変わっていくのが当たり前の世の中に、変わらないモノ、変わらない場所が在りますように、と…―



#今日も俺は風になる。
#真正面からぶつかる為に。

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