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 ┗44

44 :跡部景吾
2007/12/29 03:14

クリスマス会っつーか忘年会じゃねぇかと宍戸はぼやいていたが、あくまでクリスマス会らしいその会合は、俺の家での開催が決定してしまった直後25日を過ぎても片付けられないままの大きなツリーの天辺に付けている星を、慈郎クリスマス会長が見つけて大騒ぎした瞬間に始まった。

どうしてもそれが欲しいのだという慈郎を忍足はうんざりとした表情で見て小さく「またか」と呟く。
何がまたなのかもよく分からないが、あんなものが欲しいと素直に言えるアイツのことを少し羨ましくも思った。
去年も一昨年も飾ってあったのに、何故今更になってと思うが。

樺地が脚立で星を取って慈郎に渡すと、アイツは嬉しそうに笑って何故かそれを日吉に渡した。
日吉は少し困った顔でありがとうございますと、そう小さく呟いてベツレヘムの星の話をした。

そんな星は本当は存在しないのだと、そう呟いた日吉の少し泣きそうな顔が忘れられない。


ベツレヘムの星は、キリストが生まれたときその頭上に輝いていたと言われている。
神がこの世に使いを送ると、その約束を守った証だとされている。
世界の始まりの光。そう聞いたことがある。


ああ、少し前だ。
部活の帰り、大きなツリーを見上げながらその話を慈郎にした。

#東方の三賢者はその光を頼りに神の子に会いに来たんだとよ
俺がそう話したあと、慈郎はやけに嬉しそうに笑って
#じゃあ、それがあれば寂しくても居場所が分かるんだ
そう言ったんだ。


だから、アイツは日吉にこれをやりたかったのか。



ベツレヘムの星はGPSじゃねぇよ、バーカ。

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