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Lily.
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116 :
日吉若
2009/10/23 21:55
>> 何時もより余計に捏造御注意、
芥川先輩の御兄様の御話。
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何時も依り高い位置から、
何時もとは違う角度で。
ちょっとだけ星に近い場所に足跡を残して 進 め !
〔 Honeycomb 散歩*掴め*飛べない鳥 〕
芥川先輩の尊兄は細くて身長が中々に高い人だ。兄貴に俺の分の身長ごっそり持って往かれちまったんだよなァ、と笑う先輩の表情や物怖じしない態度は良く似ていると思いながら、俺は通り一遍に頷き更に思いを巡らせる。きっと、金色の髪も其の人の影響なのだろう。
過去数回先輩の家に訪ねたことが有った所為か、すっかりと知り合いにカテゴリーされたらしい自分に機会を重ねる度に尊兄は人懐こく話し掛けて来るようになった。幾らか歳が離れている物の、全くと言って良い程気にしないさまは流石の芥川家と云う他無い。先輩の家から帰宅しようとした時に、一緒に途中迄と声を掛ける無邪気さに抗えず家路を辿るも矢張り話題は部活の人達の事へと移る。今は誰と組んでンの、と訊くから向日先輩とダブルスの訓練中、と答えたら気の抜けたような声を上げた。それから一言、なら飛ぶ練習しなくて良いの、と告げるが否やアスファルトに突き刺さられた長く続く低いフェンスを指した。
訳の分からない命令であるにも関わらず、猫宜しくフェンスの上の細長い路(成らぬ路、)に足跡を点々と残し、且つ危なげな身体を差し出された尊兄の左手で支えた。掌の大きさを比べるようにくっつけて、五指を合間合間に挟んだ形。何時もは上に在る表情が俺を見上げていて、馴れない温度を伝える指が確りと自分の右手を掴まえている。何だか風船にでも成った気分ですと伝えたらば、今日は練習で良いぜと返された。
阿呆なことをしているなと自覚しながら、それでも、浮かび上がって破裂して仕舞うのが厭で手を振り払えなかった。
…――フェンスの途切れ目はもうすぐ、
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