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Lily.
┗122
122 :
日吉若
2010/01/13 00:49
庭に面した廊下に鎮座。
背を反らし、弓なりに撓らせ前屈みに空を仰ぐ。
降り落ちた雨粒が着物の襟の隙間を縫って項に触れて、背を腰に向かって撫でて往く。嗚呼、まるで愛撫。
――初雪の、壱番最初の粒子が鼻の頭にキスをしたら初恋が叶う。
…そんな恋の呪いを、近頃不意に思い出すことがある。
(誰が言っていたのだったか、今はもう思い出せないけれど。)
雪を視たんだ。
相変わらず綺麗で、其処には溶けることを知らない思い出が詰まっていた。
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