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Lily.
┗98
98 :
日吉若
2009/03/30 01:54
太陽が落ちて、月が目覚める度に世界はまた大人になって往く。
夕闇は分け隔てること無く俺達を連れ去って行くのだけれど
…――随分と、遠くまで来てしまったのは月がきっと目覚めるのを止めないからなんだろう。
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此処最近も、相変わらず。
考えなければいけないことや考えても意味のないことばかりが思考回路を駆け巡る。
御蔭で退屈さからは免れているのだけれど、如何せん噺の展開の気配はロールキャストの中、息を潜めて森の奥。
流れ行く名前を眺めては見付けるのは何時も見慣れた名前ばかりだ。
瞳に馴染んだ物は視線を攫い易く、下手すれば消えた筈の其の名前は何時までも頭の中に残っている。
視界の利かない世界に連れて行くのは好きだと云うものだけ。
痛みを感じることすら嬉しいんだ、可笑しいでしょう?
【嗚呼、勿論連れて往くよ。貴方の名前を置いて往ったりはしないさ。】
* * *
こんな静か過ぎる夜には。
月の明かりが差し込む窓を開いて、眠っている振りをしているから。
だからどうか、甘美な旋律の曲を弾いて。
まるで初めての恋みたいに。
* * *
(ねぇ、…セレナーデ。)
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