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盲亀の浮木
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367 :
柳蓮二
2009/01/09 01:02
見えぬ糸に導かれるように、…正にそうだった。
他と交流を持ちながらも、己が彼奴に抱いた感情。其れは必然的にだったに違いない。だが、…背徳の二文字が相応しかった己にはこうして綴ることすら、本来ならば有っては為らぬことだろう。
彼奴と、否。傍らで休んで居る御前と見えた時から、視界には沢山の知らぬ景色が広がった。一つずつ眸に捉えながらも、何時も、何をしていても、俺の心は御前を追うばかり。伏せた眸は悲鳴を上げる寸前だったんだ。居場所を求めにさ迷う腕は、空を掻くに過ぎなかった。とは言え、今となっては良い想い出だ。然し現在進行形での、嫉妬の塊として根付いて居ることも、また事実。
御前の、幾度と無く見詰めてきた、その泣き顔、声音すら俺には惜しい。泣かせ足りぬと求めずには居られない劣情と共に、今宵は眠りに就こう。
早くも穏やかな春の到来に焦がれつ、目が覚めれば其処に御前のはにかむ笑顔があることを期待して。
御休み、和みの彼へ
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