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盲亀の浮木
 ┗425

425 :跡部景吾
2009/04/08 18:56












ごっそりと抜け落ちたように、一部空洞化している記憶がある。特別な何があったのか、その時ははっきりとしていた筈のものが、今は無い。それだけ何かに打ち込んだせいか、日々に呑まれていたからかもしれねぇが。
強いて云えば、気に食わない、と言われた言葉が、静かに心に浸透した。それは何故か。恐らく、答えは分かってんだ。だが、上手く言葉が出ない。訳が分からねぇ、それは俺自身が思っていることで。許せとも汲めとも、これに関しては言わないでおく。



どう想っているかと聴かれた時に、募った何故が解消した。そう思った、戸惑った。それが第一だった。付き合いには反比例した包まれた部分の多さ。それが招いた結果に違いない。そして、出した答えは無意識にカテゴリーを定めた時に決まっていたこと。崩されれば、幕が降りる、如何に脆い関係か。好きでいて、好きでない。虚像を抱き締めて、浸るのはその時々の感情。
一枚の壁がある、薄い壊せば簡単に穴が空くようなものだった。
年月が過ぎようと、それは崩していない。…違うな、崩せない。変化すら、させていない。
理由は簡単だ。今以上を求めていない、求めようと含めようと思えなかった俺自身が居るからだろう。



単純、それでいて複雑。困ったものだな、感情は。
好きだと、心から欲しいと想える人間は、御前だった。今も、御前だと想っている。
だが、友情にも似た、幻かもしれねぇそれが欲しいという思いは捨てられなかった。分かるだろうか、分からねぇならば、それで良い。

天秤にかけるなんざ意味がねぇ。欲しいものは何か、明確に出た答えが、今此処に其処に、俺が在る理由。
無意識で居ても、心が動く。交わり、少し先に光が見いだせる、…様々なものが一瞬で、いや、全身で感じられた。これが直感なのかもしれねぇな。

御前の、一瞬の、あの声音で、俺は心を奪われた。
あの一瞬が、決め手だった。
間違っていねぇと俺は想う。御前は俺が、笑わせて、抱き締めてやりたい。

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