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痒い所に手が届く


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10 :
福士ミチル
2008/02/07 03:00
今日のことだ、部活後の帰宅途中、前方5メートルに俺たちの憧れ、青学の越前さんが歩いてたんだ。
反射的に電信柱に隠れる俺。
越前さんは歩きながらクレープを食べている。
食べ終わったと思ったら徐にポケットから赤い布を取り出して、クリームのついた口を軽く拭って、そのままゴミ箱へ捨てたんだ。
俺は、へぇ!越前さんレベルになるとハンカチは使い捨てなんだ!
と、感心しながら無意識にそのゴミ箱を除いた。
捨てられたハンカチ…
あれ?
俺は思わずゴミ箱からその布を手に取った。
それはハンカチでは無く、なんとパンツだったのだ。
それもトランクス。真っ赤な。
さらに何か黒い文字で隅に書いてある。
>「て づ か く に み つ」
んんん?
何かがおかしいぞ。
確かに名前を書いておけば修学旅行で落としたときも
「このパンツ誰のですかー!」
と全員に公表はされず、担任の手からそっと返却されクラスメイトにパンツを落としたという羞恥をさらさずには済むだろう…。
だがしかしてづかくにみつとはあの手塚のことだろう?
名前を書くか?
いやいやいや、論点はそこで無い。
越前さんがティッシュと間違えてパンツで口を拭いてしまった、以外とおっちょこちょいな面もあるんだな!
〔完〕
いやいや、終わるな終わるなそうじゃないだろう。
何故かしらんが越前さんが手塚氏のパンツを捨ててしまったことが問題なのだ。
きっと何か不慮の事故で間違いが起きてしまったのだろうと思った俺は真っ赤なパンツを握り締めそのまま越前さんを尾行した。
彼はファミレスに入った。
俺も続き、少し離れた所に座った。
金が無かったのでドリンクバーオンリーを頼んだ…んだがここで思いも寄らないミラクルがおきたんだ。
俺はカプチーノを飲もうとしたんだが苦いのが駄目なので予めカップに砂糖とミルクを入れておいた。
そして、カプチーノが出るボタンを押して気がついた。
>カプチーノってもともとミルク入ってる!
ちくしょーミルクミルクしたカプチーノになっちまうぅぅうううう!
と悔やんでいたところ、店員が俺のモトへ駆け寄る。
#「お客様、ミルクが切れてしまったようなので今足しますね」
そうだ。
調度俺の前でミルクが切れたらしく、なんとカプチーノはコーヒーの分しか出てきていなかったのだ。
俺は慌てて、
「あ、大丈夫ですこのままで…」
と定員にヘラリと笑って席に戻った。
そう、俺はドリンクバー(ホット)の機械と同調(シンクロ)することに成功したんだ。
相手の気持ち、今考えていることが判る、まさにダブルスの極意。
今までもっぱらシングルスプレイヤーだった俺の、新しい舞台の幕開けだ。
感嘆の思いでカプチーノを飲んでいると…しまった!越前さんが待ち合わせしていたらしい桃城と落ち合って店を出てしまった…
しかしその時の俺に焦りは無かった。
いつかまた、めぐり合える、この赤いパンツが、俺らをつなぐ架け橋なのだから…
〔完〕
>手塚くん、パンツは下駄箱に入れておいたよ☆
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