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宵闇の蒼い太陽への慕情
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手塚国光
2008/10/09 03:17
あまり温度を無くす事の少ない俺の手が、時折肌寒い日の風に吹かれ冷たくなる事がある。
未だ霜が降りる様な時季でも無いが、今年は例年よりも早く肌寒さを感じるせいか指先の冷たさがやけに強調される様に思う。
そうして冷えた指先を温める様に手を握り締めると、ふとお前の事が脳裏に浮かび思慕を引き寄せる。
お前の指先も冷たくなってしまっているのだろうかと。
もし、そうであるならば今すぐお前の傍に行き冷たくなっている其の手を指先絡めて繋げば、互いの体温で熱を取り戻す筈だ。
冷たくなっているならば、温めてやりたい。
俺より温かいならば、その熱を分けて欲しい。
気持ちは繋がっているが、日々常に触れ合っては居ない此の手。
握り締めれば空を掴み、緩めれば指先が冷たく凍えていく。
お前の傍らに立ち、其の手を取り繋いだまま片時も離れずに居れば熱を失う事もないだろう。
俺の手はお前と手を繋ぐ為に
俺の腕はお前を抱き締める為に
俺の瞳はお前を見つめる為に
俺の唇は愛を囁き交わす為に
俺の心はお前を慈しみ愛する為に鼓動している。そう言っても過言では無い程に愛しているぞ。
早く傍らに来い。
お前の顔が見たい、声が聞きたい……お前という存在を傍らに感じたい。
俺が魔法使いで、お前が預言者だと言うのならば醒めない魔法をお前に掛けよう。
俺に詠んだ預言は、お前無しに生きていられなくなると言うものだったな。見事に其は成就されてしまった……ならば次は…俺とお前の二人の預言を詠めば良い。
変わらず、不安を抱いてはいない。悠々閑々とする事は俺の本質の様なものでそう簡単に変わるものでも無い。
唯、お前に逢いたい。
逢う時間…機会が欲しい。
やはり、愛しい者とはいくら逢っても飽き足らないものだ。……………俺の充電が切れる前に機会に恵まれる様に大人しく待っていよう。
……あぁ、お前はまた『焦って足掻く俺を見たい』等と言うのかもしれないな。
…お前の手が冷たく痛む事が無い様に……。
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