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宵闇の蒼い太陽への慕情
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245 :
手塚国光
2013/10/25 03:22
俺は俺が思うよりも、ずっと幸せだったらしい事に気が付いた。
卑屈になったつもりも意地を張っていたつもりも無かったが、少し遠くなってしまったあの日々の中で口にした言葉がずっと胸に残っていた。それは確かだ。
簡単に口にしないと決めていた。だからそれを引き出した彼奴への思いは変わらず俺の中に在るつもりで居た。
だが、少しずつ変質していくものだと何時からか気付いた。恐らく本質は変わらないのかもしれないが、きっと言葉を引き出した事に対する尊敬だとか、輝いていた日々への憧憬と未練、幸せに対する割り切りと羨望そして罪悪感。
それらが、風化と呼べる様な感覚なのかもしれない。
そう感じながら俺は此からも在り続けるのだろうと、ただ漠然と考えていた。
だが『お前にも幸せになってほしい』と言われた時、ハッとさせられた。
ただ過ぎていくだけだと思っていた俺のこれから先を誰かが幸せにと願っているとは露程にも思って等無かったのだからな。
とても感謝している。
有り難う、跡部。
跡部が言ったからではなく、勿論跡部の為でも無い。かつての想いを蔑ろにする訳でもないが、漠然と抱えていたものをどういう形であれきちんと決着を着ける時が着たのかもしれない。
背中を押してくれる友人が居る事に感謝を。
俺は今幸せだと思っている。
きっと跡部の言っている幸せとは、まだ違う幸せだろうがな。
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