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宵闇の蒼い太陽への慕情
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26 :
手塚国光
2008/07/25 00:31
昨夜は急遽、恋人との逢瀬が叶った。
割りと長い時間話す事が出来て嬉しかったのだが、色々と気付かされる事があった。
彼奴から言われた言葉。
#『もっと不安になってよ』
#『狡い』
彼奴は俺と離れていれば不安だと言う。他の誰かと話してはいないかと、将来ではなく俺の隣に不安を覚えるらしい。
そう言う所が可愛いと思う。
━━…不安。普段からあまりそういった感情を持つことはない。
それは傲慢にも愛されていると言い切ってしまえる今なら尚更だ。…そう素直に言うと、彼奴に狡いと言われた。そんな風に言われてしまえば、じゃあ良いかと言ってしまいたくなる…と。
彼奴に狡いと言われ、『確かに…俺は狡いのかもしれない』妙に納得は出来た。
それから、彼奴はこうも言っていた。
#『喜ばせるのも悲しくさせるのも手塚が一番上手いね』と。
話していく内に悲しいの意味は解ったし、俺としても頷けた。
だが…そこでふと、本当に相手が悲しむ事があったとして、それを和らげる事が出来るだろうかと疑問が浮かんだ。
どうやら…不安を解する事が出来ない俺には決定的に欠けているものがある様だ。恐らくそれは『哀』だろう。悲しむ事はあるし、感動すれば込み上げて来るものもある。
>『悲』しむ心は持ち合わせていても『哀』しみを感じるには欠けている。
そう言う事ではないだろうか。
不安を抱かない俺が彼奴の不安を感じ取り、それとなく取り除いて不安にさせない様に出来るのか。
悲しませるつもり等毛頭ないが、傲慢かつ欠落している俺は気付かず見落としてしまうかもしれない。
みすみす俺のせいで手離す事にならない様に…もっと謙虚に、もっと耳を済まし…彼奴の……お前の声に耳を傾けたいと思う。悲しまない様に、笑っていてくれる様に。
例え何かが欠落していようとも、愛しいと痛むこの心に偽りはない筈だ。
愛している。
……何時までも、出来れば傍らでお前が微笑んでいる様に。
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