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宵闇の蒼い太陽への慕情
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92 :
手塚国光
2008/09/12 03:14
ふと、目に留まったのは胸に響きジクリとした痛みを伴う言葉。
特別なそれではないのだが、俺にとっては張り付いた仮面に手を掛けられた様な感覚になり肝が冷えた。
そうであるかもしれないし、違うのかもしれない。意図が無いのかと言えば、きっと有るのだろう。
示唆されたものは、恐らく俺の根源から蔓延るモノ。
偽りなのではなく、まるで最初からそうであったかの様に俺を形作り、時に俺を支えながら時に他人を時に自分さえも傷付ける。随分と昔に硬くなってしまった心は既に痛みを感じる事さえ難しい程になった。
痛みを…傷を曝す事をきっと恐れはしないだろう。
それらを抱えているのならば。
俺は………。
………傷や痛みを抱え、背負ったり等はしていない。
縁の別離にあたり、振った事も振られた事も…剰え喧嘩をした事も無い。
気付けば既に離れてしまっていた相手を思い出して悲しいと思った事は皆無だ。
悲しい、喩えそう感じたとしても異様な速度で悲しみが薄れ忘れていく。以前記した欠けているモノの影響だろう。
故に、何よりも恐ろしいのは空虚な己を曝す事だ。
多分俺は誰よりも滑稽で虚偽に塗れているのかもしれない。
愛している、手離さないと言いつつ…お前が手を離せば、心が痛いと感じようともきっと俺は笑ってその手を離す。
それでお前が幸せならばと己に言い聞かせて、また一つ嘘を重ねるのだろう。
そうして増えていく欺瞞の中に唯一つだけの真実を。
今までの誰よりもお前の事を愛している。
お前を想う傍らから感じる痛みは薄れる事を知らず、更にこの心を支配しようとさえしているこの想いに嘘偽りは無い。
今までに感じた事の無い愛しさと痛み。
それらを抱きながら愛しているのだと、叫んでみても良い筈だ。
足掻く姿を見せた時、俺は総てを解放しているだろう……
俺が落ち着いて見えているのは余裕ではなく、臆病故に己を誇張しているだけの…唯のハリボテに過ぎない。
………道化にならない様に…自己の変革を試みなければ。
愛すればこそ…向き合わなければならないだろう、己とも…彼奴とも。
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