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残夜
┗32
32 :
越前リョーマ
2010/07/11 22:36
夜の宙を舞う、黄色いテニスボール。
この目に見えてる筈なのに暗闇に吸い込まれて暗く黒く染まって、蛍光色に近い黄が見えなくなっていく瞬間のそれは、普段とは違って頼りなくて。
とけてなくなって、しまいそうだと。
生温い夏の風が木々を揺らす音がする。ざわざわ、…まるで俺の胸の内みたい。
# ボールの、音。
俺が意識を逸らした内に、ラケットを握る手の力が和らぎかくりと下がった手首から位置が変わったガットへ着地せず、地面へと力なく落ちたボール。行き場をなくしてころりとその場をさ迷って、止まる。
拾えない、拾わない。
どれだけ打ち込んでも、それを受け止める壁もガットも、ないなら。
# ケジメを付けようか。
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