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月のミルクと星の飴
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381 :
千石清純
2015/03/12 20:14
桃色の絨毯に桃色の空、甘い風、
春が好きだった。
ここ数日とても風が強くて、何とか持ち堪えていた梅の花弁も片手で足りるほんの数枚を残して全て散ってしまった。
代わりというのは何だけど、出会いと旅立ちを象徴するあの花の蕾がほんのり赤みを帯びてきた。
#冗談を言うにはまだ早い。
この季節の風は目眩がしそうになる。
目眩がして、くらくらと倒れたら真っ白の水の中、静かにゆっくりと沈んでいったら懐かしい線路に立てるかもしれない。
そこはきっと初夏の匂いがして、じんわりと滲む汗が落ちたら梅雨になる。梅雨に濡れたシャツを絞ったら夏になる。
そういうものだろう。見上げた空はやっぱり遠いんだ。
#なんて悪趣味なんだろう
指人形ひとつじゃピアノも弾けない。
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