top
┗
続
香夜の穹
(ありがとうございました)
┗286
286 :
跡部景吾
2008/10/22 01:53
部活から帰宅して掛けた、ただいまの声に反応がないのを知れば
寝室に顔を出し彼奴の様子を窺う
風邪を引いたと、怠そうに告げた朝の彼奴が心配で
けれど自由にならぬ時間は丸一日彼奴の傍に居る事を赦さず、
僅か苦しげに寄せられた眉、薬の所為か、其れでも緩やかな寝息立てる彼奴の姿を確認し
ベッドサイドに腰掛け
起こさぬように彼奴の髪を幾度も幾度も撫でた
…今日は風呂の温度を常よりも高く設定して
長時間浸かれはしないだろう湯の温度の中に身を沈め
額に汗が浮かぶまで暖めた躰をガウンに包んで、直ぐに潜り込んだ彼奴の隣
抱き締める忍足の体温は何時もより僅か高くて、
微熱が躰を蝕んでいるのだと実感する
…また明日からこいつは、無理して登校するのかと思えば無意識に俺の眉間に皺が寄った
>早く善くなれ、
俺に移して構わねぇから
もっとずっと傍に、
もっと沢山の御前の熱を、
カイロ代わりになって遣るから
朝まで此の儘、俺の腕に抱かれて眠れ
>無理だけはしないと約束しろ、忍足
一日でも早く、御前の具合が善くなるよう、祈る
.
[返信][
削除][
編集]
[
Home][
設定][
Admin]