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睡蓮の記憶
┗208
208 :
日吉若
2010/02/07 23:29
ふと、気付いたら
互いに恋人になってから1ヶ月以上も経ってたんです。
過ぎる時間があまりにも自然で、何も伝えなかったのを(俺が気付けなかったのを)もしかしたらあの人は気にしているのかもしれない。
愛している、と伝えたときと同じように、待っているのかもしれない。
…と、いくら考えても考えても、俺の思考の中のあの人は現実のあの人と同じ答えを出せない。
それが、結局は他人、ということ。
一つになりたい、と言ったら(それは勿論、思考も身体もすべてという意味を含めて言ったら)おまえがいなくなるのは嫌だ、と。言われた。
俺にはわからなかった。それは物理的に触れることよりも、そこに所在することよりも、如何に感覚を共有するかということに重きを置いていた所為だと思う。(このあたりは、まだ貴方の影響が残っているんですね。愛しきれなかった、貴方の。)(事実と言えど、こう言ったらあの人は嫉妬するんだろう。とても。)
あの人は俺に触れていたいのだろう。そりゃあ、俺だって触れていたい。いくら恋愛観が前述した通りでも、肉体的な繋がりをないがしろにしたいわけじゃあない。
そして互いに求め合った結果なのか、実際のところ、行為には殆ど毎晩のように及んでいる。もう彼の体温なしには眠れないとさえ思う。…中毒?まさか。
…そう。あの人は行為のとき、しばしば、俺を粗雑に扱う。それは俺がそう望むからだ。モノみたいに扱われたい、と言えばその通りにしてくれる。どうすれば俺が痛がるのか、どうすれば俺が屈するのか、すべてを知っているような、すべてを見透かすような瞳と手と言葉と、で。
おかげで俺は未だに、「優しく抱かせろ」というあの人の希望(命令?)に応えられていない。
実は誰かに抱かれるなんて俺にとっては初めてのことで、あの人のしなやかな腕や艶やかな声が俺を捕まえるとき、俺の身体の上を滑るとき、俺は、心臓が壊れそうな感覚を覚える。
俺が俺じゃあなくなっているんだと思う。でも、あの人と俺は身体しか交差していない。思考は溶けない。
一つになれない、あの人と俺はいつまでも二つ。
それでも
あのブルゥの光に貫かれる度に、俺の知らないあの人を見る度に、俺はどうしようもなくあの人を愛していると強く想う。
二つ、も、案外悪くないのかもしれない。
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