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睡蓮の記憶
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257 :
滝萩之介
2016/03/20 04:33
自分のことを懸命にやることが今一番の最善の策なんだろうと思う。それは決して君に構わないという意味ではなくて、寧ろ…きちんとやるための準備、今このままでは君をこの腕で守ることはできないから。ままならない自身を調えることこそ、きっと最優先でやらなければならない。
もしかしたら君の時計には間に合わないかもしれない、でもそう弱気になってもいられない。やらない時間は過ぎていく。やった時間は重なっていくのに。
あの時の感情はまだ息づいている。僕が空想に吸い込まれたとしてもそれはなくなりはしない。手元に引き寄せて、そしてまた別の未来を。
だってああいうふうに呼ばれたのはとても嬉しかったんだ。
僕もいつか大人になってしまう。大人になるのはとても怖い。僕の周りの大人のように、僕もなってしまうのかと思うと。
それでも大人の時間はいつか来る。嫌でも逆らえない。だからきっとその時のために、大人になる準備を少しずつしておかないといけないんだね。それが調えるってこと?残したい蕾は種にして、そうして、花を咲かせて…。そういう作業も、本来ならある術を伝えられる筈のところを誰に習うでもなく、すべて僕の手で…手探りで、何も知らないまま、一つの作品を。
大人の僕とこどもの僕とを分ける境界線なんてあまりに恣意的だから、そういうことをわざわざしなくていいくらい、ちゃんと、仕上げて。きっと本当は大人になるために何かを捨てなくたっていいんだ、わざわざ。それを知っているはずなのに、何かを捨てないと大人になれないような罪悪感のようなものがずっと咽に詰まっている。
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