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睡蓮の記憶
 ┗258

258 :滝萩之介
2016/04/11 03:09


新年度になった。中3になってやっと中3なのだと感じる。

僕は相変わらず僕のままで、何一つ変わらないでいる。テニス部の正レギュラーで、会計の仕事もしながら、ほんの少しだけ袖が短くなったようなブレザーに腕を通せば手首にぴったりと止めたカフスが覗く。
君の笑った顔を思い出す。どうしたら君の日常に入り込めるのか、そのことをノートにペンを走らせながら考える。最初の授業は大して進むこともなかったからその時間は十分にあった。

咽につかえた罪悪感のようなものも得体を知ることができないままで、変わらないでいる。少なくともこの十数日という時間はそれを変えてはくれなかった。
君は貪欲だ。自分から取りに行くと言っていた。僕はその貪欲さが羨ましかった、…ううん、羨ましい。現在形で記さなければいけない。昔も、今も、羨ましいよ。
たくさんのことを覚えながらたくさんのことを忘れていく。空想世界に捨てていったたくさんのことを取り戻しながら構築したいと思う心と境界線の狭間で、僕は。
鈍器は破壊のためにある。何を破壊するのかーーーそれともラケットくらいの大きさになるまで削るのか、もっと色々な方法はあるはずなんだ。それを学校の授業と同様に学んでいかないといけない。

高校生になるまで1年。今年の夏は…どうなるだろう。去年の先輩たちの成績を越えられるだろうか。正レギュラーの重さも、今更になって感じる。ジャージの袖はシャツと同じでぴったりだから。
来年もテニスを続けるのか、やめるのか、それはまだわからない。だけど、せめて今は好きでいたい。汗をかくのは意外と悪くないって、転んだり失敗したりするような格好悪いことも悪くないって、君を見ていると思う。僕にはまだそれが難しいときもあるけれど、擦り剥いて焼けたように痛む肌を外気に晒すのは胸を張って生きているという気持ちにもなる。だから、今はテニスが好きだと…言うよ。

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