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跡部と手塚が、
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14 :
手塚国光
2008/10/06 22:00
さぐる様に触れれば解る
彼奴と誕生日を祝った。
ホテルの一室をリザーブして、ケーキと其の横にデジタルムービーカメラを用意した。
彼奴は忘れて居るだろうが、互いに、恐る恐る探り合った一部始終が納められた其れは俺の手の中に有る。
細かい事は、何時か綴ろう。
俺の中に刻まれて居れば、其れで良いのだから。
幸せな誕生日、絵に描いた様な其れでは無い。
だが、恐らく、ぎこちない中にしか存在しない瞬間の幸せが在った。
確かに感じた。
時が止まれば良いと、本気で思った。
不用意に触ればきっと、壊れてしまうと思って居た彼奴の身体はしなやかでも滑らかでも、たおやかでもなく、
優しかった
温度は高く、傍のケーキを飾る生クリームを溶かすにも充分だっただろう。
少し無理で、潔く無い姿勢で紡いだバックルと留め金をぶつける音は二対。
指が震えたのは此処だけの話だ。
擽る様に互いに触れ合い乍話した言葉は、小さな白い翅を持ち、俺の心臓に停まった。
>――――――――――――――――――――――――――――――
つばさのない鳥が飛ぶには
愛の空が
必要だった
二人は
しあわせすぎて
こわかった
ときどきおたがいに
しっかりつかまっていないと
不安になった
>――――――――――――――――――――――――――――――
好きだ、
好きで、
好きが、
好きを、
好きは、
…………‥
お前に、総てを。
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