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†迷夢の虜囚は楔に繋がれ†
 ┗391

391 :忍足侑士
2010/11/03 14:40

彼奴の不在中に俺宛に荷物が届いた。
中には手紙と彼奴がお気に入りのシャンプーとお香のセット。
彼奴が居らん間に和室に炬燵を出した。
和室のテーブルの上にお香立てを置いて数種類の中から選んでお香に火を点けた。
百円ライターやと味気無い感じして、昔ながらの徳用マッチを点けるんが好きやったりする。
揺らめく炎が何とも言えん魅力あるわ。
お香の先端に火を点け白く立ち昇る煙はまるで絹のヴェールの様に柔らかくしなやかに空気に溶けては漂い霧散していく。
仄かに香る匂いよりも立ち昇る淡い煙に魅了されて暫し見惚れた。

ゆらゆらと空を漂い踊る様に何時の間にか溶けて部屋に広がっていくんを眺めてると、少し穏やかに満たされた様な気分を味わう事が出来たわ。
伊達眼鏡も外して素顔のまま独りでぼんやり部屋に佇んでた。
気鬱が少しでも晴れる様にと選んでくれた贈り物やったんやろけど彼奴の心遣いに感謝しとくわ。

ささくれ立つ神経を少しは休めてくれるやろ。
眠れん俺の眠りを誘って、深く深く深く。
無気力に怠惰に時間を無駄遣いしとる様な気分になったりもするんやけど、それはそれで必要なんやと思う事にしよか。
>お前が好む香りに包まれても肝心のお前は居らん。
>仕方無いとは思うし謝らせたい訳とも違うんやけど、時々、己の気持ちのやり場を見失うわ。
>嬉しかったけど天邪鬼で堪忍やで。
>彼奴が居ると錯覚して安堵の眠りが訪れたら幸いや。
>眠れん時はジローの羊枕でも借りようか、寝れそうやろ?(笑)
>ちょっと炬燵で雑魚寝しよか。

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