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†迷夢の虜囚は楔に繋がれ†
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忍足侑士
2008/10/30 12:00
>……お前、俺のモノになれ。
>お前ら全員、俺のモノになれ。
>……俺ら全員をお前にくれてやる。
あぁ……お前にそう言われた時、体の血が逆流するようなほどの衝撃を受けた。
>お前ら全員を幸せにしてやる。
景吾は俺らと会話して遊ぶのが好きやったな。
極普通に会話に出てくる分身達がお気に入り。
>……お前が壊れるに決まってンだろ？
壊れかけたわ。
真っ二つに引き裂かれそうやった。
その状況に酔ってたんやないわ。
ただひたすら愛しかったただけや……
>…だったら俺を切り捨てろ。
出来んの分かってて言ったやろ？
俺が出来んと知り抜いて分かってて言った言葉やと気付いた。
俺が見抜くのも分かってて紡がれた言葉やったな。
>苦しんで苦しんで苦しんだお前をもう俺は苦しめたくないから…
>綺麗に消えるから安心して俺を切ればいい。
…………出来る訳なかったわ。
そんなん言われて離れる事は出来ん。
溢れて疼く胸の痛みと愛に発狂しそうやった。
>幸せになれ。
俺は震える手でお前を掴んだ。
聡明なお前の事や、全部分かってて俺に言った言葉や。
ズルいわ……正直、少しそう思うたわ。
そんなん言われて離れられるほど俺は強うは無いんやさかい。
思い知っただけやった……誰を１番愛してたか…
俺の心の中を貫いた言葉が傾いた天秤を真逆へと突き動かした瞬間やった。
>お前は俺のモンなんだろ？だったら自分のモンは俺の好きに使う。
>自由にしろよ、侑士。
>俺はお前の帰る場所で居てやるよ。
ホンマに器のデカい、ホンマに男前やわ。
俺を縛りつけないで楽で居る事を許してくれるなんてなかなか出来んわ。
しかも１ＰＬ１恋人主義に戻ったばかりや言うのに……
まぁそう言わんとあかんくらいの忙しい人間やと云うのも確かやけどな。
寂しさは毒や……全身に広がる毒にしかならん。
半端やない寂しさは放置されたら毒にしかならんさかい。
だからと言って俺は簡単に遊べるような男でもないわ。
知ってるやろ？
せやけど遊ばんとも言えんかったわ。
お前の忙しさは半端やないさかい。
愛しとうよ、景吾……俺は必ずお前のとこに帰るわ。
約束はするな、って言うやろなぁ、きっと……
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