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寒塚日記つぐら付
 ┗23

23 :跡部景吾
2008/03/07 01:07

3月3日日記/跡部

1時間ほどの居残りし、全ての試合を片づけたその日。
今日の試合相手も死屍累々。
俺の目の前で哀れな負け犬の姿をさらしている。
今日も冴えわたった美技に満足しながら道具を片づけていると。


かすれるような切れ切れの声が聞こえてきた。


「この試合できるヤツ…できるヤツ…」
そう、それは。

マッチ売りの少女、いや監督だった。
監督は試合の紙を持ってさまよい歩くが、誰も目を合わせようとはしない。
それはそうだ。もう皆帰る所なんだ。

日吉に話しかけ「もう片付け終わってます」
樺地に話しかけ「ウス…もう…帰り、ます…」
忍足に至ってはすでに姿はなく。
向日は飛び上がったきり戻ってこない。

試合の紙を持ったまま、歩きまわる監督と俺の眼が合った。

ヤバイ…!
そう思った時には、監督は悲しげな眼で俺の傍に来ていた。

「跡部…今日はもう…」
「はい、今日はもう帰ります。道具も片付けました」

そういう俺に、監督の目は更に悲しげになる。
「そうか…1試合だけでも…いや、それだとまた帰れなくなるか…」

うなだれ立ち去ろうとする監督に、俺は溜息をついて。
試合の紙をがっしとわし掴んだ。

「全試合やります」

俺ってもしかして貧乏クジ引きやすいのか?
そんなことを思った雛祭りの日。

おまけ
手塚じゃねぇから豆知識はねぇ(笑)

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