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Honey,honey...
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43 :
日吉若
2007/12/06 17:37
目の前に居る、彼の髪に手を伸ばす。
>俺の指を通る髪は、アノ色では、ない。
そっと、頬に手を伸ばす。
>掌に伝わる体温は、こンなに高くは、ない。
背に、腕を回される。
>体の大きさも、香りも、全てが、違う。
応えるように、同じく腕を回し、瞼を下ろせば、
>胸を締め付ける痛みさえ、違う。
瞼を開けて、其の顔を見据える。
言葉に、耳を傾ける。
額に寄せられる、唇。
触るな。
腕を解き、唇に弧を描いて優しく笑ってみせる。
甘いであろう一時に、不釣合いな嘘の笑み。
この顔を作るのは、アノ人に逢って以来で、
上手く、笑えただろうか。
自分の決断に、酷く嫌気が差す。
どうしようもない、後悔に、吐き気がする。
見えない未来は、見えない侭だった。
果たして、未来を見る奴が居るのか。
未来は、元々、見えないもので、希望を託すモノなのだとしたら、
俺は、月の下で、アンタを抱き締めたい。
過去形では、ない。
後悔を、取り戻そうと、体を向ける。
続く道へ、歩を進めて、辿り着いた先は、決まっている。
#逢いに来て、スミマセンね。
あァ、アンタには、やはり、華がよく似合う。
綺麗ですよ。
どんな姿も、やはり、愛しい。
頬に手を伸ばす。
触れる前に、思わず止める。
汚れた、指先。
曲げて、握り締める。
其の世界は、アンタが望んだ世界ですか。
其の世界で、アンタは誰を想いますか。
其の世界に、俺は入って行けますか。
変わらず、間抜け面で、幸せそうに、笑っていますか。
俺は、生憎、幸せそうには、笑っていない。
アンタがいなければ、つまらないンですよ。
腰を屈めて、顔を近付ける。
唇を重ねれば、アンタは、起きてくれるのだろうか。
物語が違っても、世界が違っても、
其の可能性があるのなら、幾らでも。
其れでも、アンタを一番に想う俺は、
>アンタが嫌がることは、絶対にしない。
#甘やかすな、と苦笑いを浮かべる
#愛しい、アンタが、思考を埋め尽くす。
後悔は、取り戻せない侭。
後悔を無くそうにも、傷付けたことに、変わりはない。
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