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ふたりでできるもん侍
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270 :
跡部景吾
2010/06/20 18:41
千石と出会ってから三回目の梅雨がやってきた。
二年前の6月に出会ってすぐに何年も前から隣にいるみてえに打ち解け、好き合うようになって以来、
甘ったれなあいつに呆れながらも甘えさせてやるのが満更でもなかったり、俺も今までは誰にも話さなかったようなことまで話して甘えたり、
穏やかで甘ったるく幸せな日々を過ごしてきた、と思う。
二年という節目を越えても、変わらずそんな日が続いていくのだろうと何時の間にか信じきっていたが、
それでも時間は確かに流れているのだと思い出させるような一つの変化があった。
あいつの気持ちも俺の気持ちにも変わりがあったわけじゃねえが、その小さな変化は俺を戸惑わせた。
俺は器用じゃねえから、記念日にも文字を綴れなかったり(日記不精はいつもだけどな)、あいつに当たり散らしたりもしたが、漸く気持ちの整理がついたってところだ。
別れた方が良いんじゃねえか、なんて口にもしてみたが、何のことはねえ。別れられねえのなんて最初から分かってたんだよ。お前だけじゃなくて、俺もな。
改めてこれからも宜しくな。好きだぜ。
…記念日だってのにこんなに放置も不自然だし、整理つけとかなくちゃいけねえな、なんて書いてみたら思いの外こっ恥ずかしいページになったじゃねえか。
それもこれも全てあの馬鹿のせいだ!
腹立たしいにも程が在るぜ…。
で、そんな千石は今家族旅行とやらで海外に行っているらしい。
海外からは高いからメールはできないね、なんて言っていたから、数日話せねえ感覚と欠かさずオハヨウオヤスミを言ってくれる存在の有難さでも再認識するか、なんて思っていた、んだが。
…毎晩メール来てやがるじゃねえか(笑)
ったく、庶民の癖に無駄遣いしやがって。
帰って来たら部屋でたっぷり灸を据えてやるとしようか。
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