欠落をこそ愛せよ
恋人と恋人になりたてのころ、「こいつはなんだってこんなに出来た奴なのに、私なんかのところに来たんだ」と首を捻ったものです。今それがゼロになったかと言われたらそんなことはない、未だに思う時も稀にあります。
嫌われたくないから波風を立てないようにしようと雁字搦めだった私に言葉と時間を尽くして、私が不安にならないように予定まで共有してくれるスマートな恋人です。最近は気が緩んできたのか、私が出すちょっかいに振り回されてくれることもある。な、可愛いだろ。
そんな凄い奴にも苦い思い出の一つや二つはあるもので、少し前にそんな話をしました。
昔のことが原因で保護された手負いの猫ちゃんみたいな、警戒心モリモリで燻ってる部分がある自分が嫌なんだって。良い子よね。
本人がこれを直したいと思ってるかどうかはさておき、それだってあの子を構成する人間性の一部なわけだから私は愛していきたいよ。ダメな部分ってラベル貼って隅に押し遣らないで、私に拾わせてほしいものです。完璧なものはもちろん凄いと思うけど、私は不完全なものもそれはそれで愛しいと思います。
それに、四季凪だって全くもって完璧な人間ではないからね。不完全なもの同士重ね合わせて、欠けた部分も覆い隠して見えなくしちゃえばいいよ。