映画をいくつかみたあとに、一緒に夜を明かすっつう、いままでのオレたちからしたらぜってえに!有り得ないような行動を起こしてもらったのが、三日、二日くらい前のことなんだが、それからオレは隙あらば刀也さんのことを考えて、刀也さんの名前を呼ぶだけのオモチャと化しちまってんだよな。オレの起こしてることのすべてが、刀也さんの負担になってなきゃいいんだけれども。
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刀也さんは、オレに対して、オレが抱いてるもんと同じデカさの感情を返そうだなんざ、一ミリたりとも思わなくていいよ。オレからの好意に胡座をかいて、オレがどこにいったって最後は自分のところに帰ってくるって思ってるとやさんのことがオレはさあ、一等好きなんだぜ。だから、ずっと、変わんねえままでいて。オレのエゴを、その指先で弄んでいて。それで、時折、かたちは違くてもいいから、オレが告げたものと同じ言葉を返してくれたら、それだけでオレはめちゃくちゃ幸せなんだ。