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316 :
竜宮レナ
2014/08/11(月)00:49
今日読んだお話にね、こんなのがあったんだ。自分の学生時代の記憶が捏造された物だった事に、八年経って漸く気付くお話。その真相を探る最中に、その人は主人公に言うの。「記憶が無いというのがどんな気分か解る?それはアイデンティティーが全て崩れ去る様な感覚」…と。
アイデンティティーって、何だろうね。…そんなのは誰でも知ってる。自我同一性。自分が自分であるという、確固とした主観。それが崩れ去るという事は…きっと世界の全てが自分を残して崩れ去るのと同じ事。
でも、そういうのって、考えてみれば誰にでも経験があるんだよね。…ほら、幼い頃の記憶が曖昧な事って無い?自力では思い出せないけれどどうしても知りたい時は、その場に居た筈の人に聞くしか無いよね。だけど、その人の記憶が間違っていたとしたら、…或いは故意に嘘をついていたとしても。曖昧な記憶しか無い貴方は、“そうだったかもしれない”と思う筈。……そして、その“かもしれない”が段々と薄れていって。単なる“そうだった”になってしまい、真実は捻じ曲げられる。
真実と事実を結ぶ線を断ち切るなんて、ほんのその程度で出来る事。…極端に言えば、書類で確認出来る筈の誕生日や血縁関係だって、嘘の申告をしてしまえばそれが事実になってしまう。人間が作った社会制度を人間が捻じ曲げるなんて、倫理や秩序を考えなくて済むならばそんなにも簡単な事なんだから。
これを読んでいる貴方は、自分が誰なのか理解しているのかな、かな。
いつどこで誰の子として生まれて、何をして過ごしてきたの?……それは貴方の足元を、その下にある地面を形作る、とても大事な物。
私の地面はね、私の思ってたような色や形じゃなかったんだ。全部全部嘘っぱち。…それはまさに、世界が崩れ去る様な感覚。私はなぜ嘘をつかれていたの?なんの為に?何を隠す為に?……私は、どこで誰の子として生まれた、誰なんだろう。
でも。……足元がどうだろうと、その上に今、貴方が立っている事が確かなら。地面がどんな色でどんな形で、どんな石ころが転がっているのかなんて、小さな事なのかもしれないね。
それは誰だって同じ。現在はあるがままが現在だし、未来はなるようにしかならない。
それが楽観なのか諦念なのかはレナには解らないけれど……あはは、楽なのが一番だよね、よね。それでいっか。
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