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163 :岩■崎リ■ュウ■ジ
2014/04/20(日)08:46

#1

>特に意味なんてない、思いつくままに書き殴った結果。


初めて研究所で見掛けた時、ああこの子は間違いなく、同じ歳の頃の子よりも聡くて賢い子なんだろうなと思った。
両親共に優秀な研究者であったから、きっとなかなか家族全員でふれあえなかっただろうと思う。
それでも我儘を言って困らせたりなんてせずに、恐らく少しでも接する機会を作りたいけれど、帰る程の時間が無かった2人に呼び寄せられたのであろうあの子は、周りの邪魔にならないように大人しく、久し振りに会えた両親を目に焼き付けるかのようにその背をじっと追いかけていた。


けれどあるとき、河原で石投げがなかなか上手く出来ずにいて、見本を見せた俺に対抗するように何度も何度も必死になる一面もあって、その子供らしさと、大人顔負けの負けず嫌いさに自然と笑みが溢れた。


そんな時に起きた、あの日の事件。
俺でさえ、目の前で起きたことを理解できなくて、自分の非力さと、そして起こったことの恐ろしさに逃げ出したい程だった。
なのにあの子は。両親が目の前で消えてしまったのに涙ひとつ零さずに、しかもそれだけじゃなくて必ず元に戻すと、そうはっきり言ってのけた。
自分より幼い子が泣いていたからだろうか、ただ一人残った家族をこれからは自分が護らなければならないと覚悟したからだろうか。
それとも、目の前の哀しみでなく、全て取り返したその未来だけを既に見据えていたんだろうか。


>2

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