ついに明日。明日、なの。あのひとに会う日、あの人に触れる日。緊張してどうしようもなく身体が強張る。心臓も破裂してしまうんじゃないかと思うくらい、張り詰めていて。どきどきする、って言葉通りね。どんな服を着ていこうか、これで良いのか…隣を歩いても見劣りのしないようにしていかないと。そう、だって本人曰く、「君の隣を歩くやつはそこそこ容姿端麗だぞ」――普通自分で言うことなのかな。まったく。残念ながら否定の余地もないのだけども。そこがまた憎たらしい。 買ったこともないような値段の洋服を買って、それに似合いそうな鞄も選んで。…ねえ、わたしこんなのじゃなかった。可愛らしい服は好きだった、でも喜んでもらえるようにだとか、そんなのちっとも考えたことがなかったのに。余程好きなのね。そんな他人事を脳裏に被せる。デートだなんて野暮ったい響きを巡らせながら、早々に寝てしまったあのひとの隣で眠るの。おやすみなさい、また起きたら話せるかなあ。…貴方に会うのがどうしようも無く不安で緊張が止まなくて、でも――早く会いたいな。 |