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63 :
十年後六道骸
2012/09/18(火)18:34
彼にこのノートを見せる事は一生無いと解っている。だから書ける言葉など幾らでもあります。良い意味であれ、悪い意味であれ。
気付かないで居られるならば、多くの事はその方が平和だ。
だから僕は知らない振りが得意でしたよ。ええ、霧の彼方に隠して仕舞うのも容易い。
例えば君が人を探していた事も、あの日記が君の持ち物である事も知っています。
僕の様に契約しろなどとは言いませんよ。ただ――君の変装はあまりに稚拙だ。
あれで気付かないと思っていたのなら、僕も舐められたものだ。
……だから手を離したんですよ。
離れた気持ちを繋ぎ止めるほど僕が君に好意を抱いた事は、只の一度も無かった。望まれなければ直ぐにでも切っていた糸です。執着など無い。
……僕が求めているものは、一人だけだ。
それは昔から変わりません、狂おしい程に。
――彼はそれを知って尚僕の傍に在るのですから、本当に物好きな事です。
居て差し上げますよ、その愚かしさに免じて。
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