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543.花鳥雲月
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196 :六道骸
2013/08/31(土)15:24


極々薄く、時には其処に在ることさえ失念してしまうほど透明な硝子の壁。
其れを一枚挟んで溢れんばかりの幸福が目の前には存在している。

然し硝子一枚在るが故、其の幸福にも温もりにも、決して触れることなど出来ない。してはいけない。
硝子の向こう側の温もりも優しさも、時に硝子の外に居る己へと向けられているかのような錯覚に陥ってしまう。

硝子を突き破り其の幸福や温もりを求めてしまう。其れは貪欲過ぎるのでしょうか。罪なのでしょうか。

求める、故に乾き苦しむ。



直ぐ目の前に温もりが在るのに。
凍ってしまいそうで寒くて堪らない、その様な時、其処に手を伸ばしたくなるのは弱さですか?




幻想

現実

曖昧な境界線を見失う。





“誰か”ではなく、“其の人”に助けて欲しいと求めてしまう。
其れは硝子の向こう側の幸福さえ砕き壊してしまうかもしれない、最大の禁忌だ。


硝子の向こう側の幸福を保ち続けるには、どうしたって此方側は独り忍び続けるしかないではないか。






ねぇ、目の前にぶら下げられた温もりは時に世界一憎らしくなりますよ。寒くて堪らない。

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