薔薇色ノスタルジア

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121 :桜華忠臣
2019/02/07(木)16:08

薬の過剰摂取には否定的だった。そもそも、薬物の類は嫌悪に近い感情を抱いている。両親共に毎日市販の頭痛薬を服用せねば生活が出来ぬ立派な薬物依存であったから。我は可能な限り、薬には頼らずに生きてきた。

だと言うのに、嗚呼、一度効果を実感すると、依存する者の気持ちが理解出来てしまったのだ。

効果は物に拠るが、主に使っているのは二種。片やふわりと意識が弛み、眠くなると共に寝ようとすると呼吸を忘れてふっと目が覚める。そうして気付けば時間が経っていて、碌に寝てもいないし食欲も無く食べてもいないのに丸一日動いていられる程活力が満ちる。但し気分に依っては酷い希死念慮や疑心暗鬼に囚われ、鬱の症状が悪化するが。
もう一つは酷い吐き気と肩の重さで眠れなくなるが、上手く行けば幻覚や幻聴が現れる。思考が出来なくなり、一秒前に考えていた事を忘れる。御陰で文章を打つと内容は支離滅裂、会話となると一切噛み合わなくなる。此れは此れで、普段如何やっても逃れられぬ理性から解かれるようで心地が良い。前述の物よりも残り易く、翌日は体が酷く重くなり会話も意識が朦朧としている所為で辛いが。

偶に、酒に逃げる事も始めた。我は泣き上戸らしいから、泣きたい気持ちになるのに泣けない日は酒に溺れる。安いワイン一本を空けるのが丁度良い。思い切り泣いて管を巻いて気付けば寝落ちて、暫くはすっきり出来る。

こうして絵に描いた様なメンヘラの出来上がり。嗚呼、こうはなりたくなかったのに。結局元から意志が弱いのだ、総ては己が撒いた種、自業自得。
現実逃避の側面は有るが、純粋に自傷行為は心地が良い。金を対価に客と寝る事もした。昔から、異性と関係を持つのは金銭が絡む時のみ。其の方が己の価値が形になるから。本当は斯様に穢い事はしたくも無いのに、ゴミのように自らを扱う事が精神安定に繋がる。落ち着いてしまうのだ。立派な社会不適合者。何時から道を違えたのだろうなァ。

他人に迷惑を掛けたくないのは本心で、だが心配は安心する。未だ己を気に掛けてくれる者が居るのだと。此れも単なる承認欲求だろう。我は、最低だ。己が大切に思う者には同様の事をして欲しく無いと曰う癖に、自身は簡単に身を投じる。心配を掛ける事は解っている。申し訳無いとも思う。此れだから、彼奴には馬鹿だと言われるのだろう。彼奴を心配していると吐く口で心配させる事を繰り返す。何時か、見放されるのだろうな。寧ろ早い内に見切りを付けてくれ。我は良い人間では無い。さっさと独りになるべきなのに、

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