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673.sawa-sawa
 ┗251

251 :火◯野◯映◯司
2017/05/04(木)16:24


   Ⅰ

こい人よ、おまえがやさしくしてくれるのに、
私は強情だ。ゆうべもおまえと別れてのち、
酒をのみ、弱い人に毒づいた。今朝
目が覚めて、おまえのやさしさを思い出しながら
私は私のけがらわしさを歎いている。そして
正体もなく、今茲に告白をする、恥もなく、
品位もなく、かといって正直さもなく
私は私の幻想に駆られて、狂い廻る。
人の気持ちをみようとするようなことはついになく、
こい人よ、おまえがやさしくしてくれるのに
私は頑なで、子供のように我儘だった!
目が覚めて、宿酔の厭うべき頭の中で、
戸の外の、寒い朝らしい気配を感じながら
私はおまえのやさしさを思い、また毒づいた人を思い出す。
そしてもう、私はなんのことだか分らなく悲しく、
今朝はもはや私がくだらない奴だと、自ら信ずる!

   Ⅱ

彼女の心は真っ直い!
彼女は荒々しく育ち、
たよりもなく、心を汲んでも
もらえない、乱雑な中に
生きてきたが、彼女の心は
私のより真っ直いそしてぐらつかない。

彼女は美しい。わいだめもない世の渦の中に
彼女は賢くつつましく生きている。
あまりにわいだめもない世の渦のために、
折に心が弱り、弱々しく躁ぎはするが、
而もなお、最後の品位をなくしはしない
彼女は美しい、そして賢い!

甞て彼女の魂が、どんなにやさしい心をもとめていたかは!
しかしいまではもう諦めてしまってさえいる。
我利々々で、幼稚な、獣や子供にしか、
彼女は出遇わなかった。おまけに彼女はそれと識らずに、
唯、人という人が、みんなやくざなんだと思っている。
そして少しはいじけている。彼女は可哀想だ!

   Ⅲ

かくは悲しく生きん世に、なが心
かたくなにしてあらしめな。
われはわが、したしさにはあらんとねがえば
なが心、かたくなにしてあらしめな。

かたくなにしてあるときは、心に眼
魂に、言葉のはたらきあとを絶つ
なごやかにしてあらんとき、人みなは生れしながらの
うまし夢、またそがことわり分ち得ん。

おのが心も魂も、忘れはて棄て去りて
悪酔の、狂い心地に美を索む
わが世のさまのかなしさや、

おのが心におのがじし湧きくるおもいもたずして、
人に勝らん心のみいそがわしき
熱を病む風景ばかりかなしきはなし。

   Ⅳ

私はおまえのことを思っているよ。
いとおしい、なごやかに澄んだ気持の中に、
昼も夜も浸っているよ、
まるで自分を罪人ででもあるように感じて。

私はおまえを愛しているよ、精一杯だよ。
いろんなことが考えられもするが、考えられても
それはどうにもならないことだしするから、
私は身を棄ててお前に尽そうと思うよ。

またそうすることのほかには、私にはもはや
希望も目的も見出せないのだから
そうすることは、私に幸福なんだ。

幸福なんだ、世の煩いのすべてを忘れて、
いかなることとも知らないで、私は
おまえに尽(つく)せるんだから幸福だ!
 
   Ⅴ 幸福

幸福は厩の中にいる
藁の上に。
幸福は
和める心には一挙にして分る。

  頑なの心は、不幸でいらいらして、
  せめてめまぐるしいものや
  数々のものに心を紛らす。
  そして益々不幸だ。

幸福は、休んでいる
そして明らかになすべきことを
少しづつ持ち、
幸福は、理解に富んでいる。

  頑なの心は、理解に欠けて、
  なすべきをしらず、ただ利に走り、
  意気銷沈して、怒りやすく、
  人に嫌われて、自らも悲しい。

されば人よ、つねにまず従わんとせよ。
従いて、迎えられんとには非ず、
従うことのみ学びとなるべく、学びて
汝が品格を高め、そが働きの裕かとならんため!


時々脳裏を過ぎるこの詩。

俺はあいつが好きで、好きで、好きで、いまだにせいいっぱいだ。


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