景吾が可愛くてうっかり簡単に許可してしまったけれど、相変わらず俺はそれが苦手でした。それに合わせて久々に大人数と話したせいか、疲れのせいか、いっぱいいっぱいさに拍車が。

相変わらず馬鹿だなと思ったり、考えたり、落ち込んだり色々ひとりでしてました。まぁそんなのは下らないと一蹴されそうな事ばかりだと分かってはいるのでいいとして。一番思ったのは愛しいな、って事。
まぁそれを思うのはいつもと言えばいつもなんだけど、俺が嫌がったり恥ずかしがるような事を避けてくれていたのに、心暖かくなった。
こうまでしてくれてるのに、慣れないって嫌だね。悔しい。

こんな素敵な人が俺の恋人なんですよ。
とか、言えばいいんだろうけど言えない俺です。




多分、認めたくないんだろうね。
下手なプライドとか、考えすぎるのとか、捨ててしまえたら楽なのに。
俺は馬鹿か。

あまり大っぴらに言いたい話しでもないけれど、俺は苦手としている事が少なくはない。
最近、その苦手としている事をひとつした。


彼の誕生日と、一年と一ヶ月の記念日。
別段何をしたというわけでもなく、プレゼントを渡しあっただけ。
彼からは香水を貰いました。
彼と同じ匂いの香水。
よくもまぁ去年の事を覚えていたものです。
俺からは紫色のちゅら玉のついたブレスレット。

…で、まぁ何が苦手かと言えば、特別な相手にプレゼントを贈る事です。
例えば友人なんかに誕生日プレゼントをやるとしたらそういえばあれ欲しいって言ってたなとかこれ好きそうだなとかそういうのでいいんだろうけど、恋人ともなればサプライズにしたいから何が欲しいとか聞けないし聞いたとしてもしょうもない答えが返ってくるでしょう。じゃあ何をやるかと言えば何かしら意味を持たせた物だったりする。
そういった事に頭を悩ませている自分とか、意味を込めたそのプレゼントを贈る事がたまらなく恥ずかしく感じる。
こんな事を言ったらまた笑われそうだけど、慣れないんだから仕方ないでしょう。

君にあげたブレスレットのちゅら玉は、紫。
俺も同じものを持っている。玉の色は、青だけれど。……紫と青の組み合わせは、夫婦円満を意味するらしいですよ。

彼は俺の前でしか可愛い姿を見せていないと言う。
俺の知る限りでも、そう。
つんけんしているわけでもなく、クールというか、かっこつけ？

……いや、素直に言おうか。
普段の彼は格好良い。
そんな彼が俺の前だけで見せてくれる可愛い姿がたまらなく愛おしくて、最近その思いが一層強くなってつい可愛いと言う回数が増えた。
彼はそれが気に食わないようで、可愛い彼氏じゃなくて可愛くて格好良い彼氏にしろと…。
可愛い彼氏でもいいじゃないか、と言うか彼氏って。旦那って。
そう言われると俺が嫁、彼女のポジションになるじゃないですか。姫や女王も同様に嫌だ、と言うか似合わないから止めて貰えないものか。

…と、少し脱線しましたが、言わないだけで格好良いとも思ってますよ自分が格好良いとか可愛いって気付いてるならそれも気付きなさいよ馬鹿。


気付いていたけど言って欲しかったとか言ったら殴ろうかと思います。

幸せになりたいなァ、て口にして、退屈だなァ、て口にする。
ぼんやりしながら、あァ俺は幸せだったと気付いて頭を振る。

愛されてるのは知ってるし、幸せなのも間違いない。
なのに何でこう、ぎゅーっと胸が掴まれたみたいになンだろ。

最近ずっとこうで、ダチとかに声掛けてっけどこーいう時に限ってみんな忙しい。
何時も合わねェの。



あーバカバカしい。やる事なンて腐る程あンのに。

何時だったか昔は甘えて来なかったというような事を言われた事があった。
しかしまぁどう思い返しても昔から甘えていた。
俺は自分自身が変わったつもりはあまりない。勿論、彼が望んでいて俺が嫌だと思っていた事を受け入れたりはしてしまっている。
恋人の幸せそうな表情や愛の言葉は中毒性のある解毒方法はひとつしかない麻薬か何か。欲しくて欲しくてたまらなくなって、触れたくて触れたくてどうしようもなくなって、受け入れてしまう。
そんな程度の変化。
きっと変わったとすれば、彼の方。
最近特に可愛くて可愛くてたまらない。
どうしてあんなに可愛いのか誰か教えてくれませんか。
もうたまらなく抱きしめたくなる可愛さなんですよ。


先日は台風が凄かったわけですが、皆さんは怪我とか雨にあたって風邪とかないですか。
俺も出ていたからその脅威にあい、少し迷ってから彼に連絡をしてみたらまぁ無事だったわけですが、帰り着けていない様子で心配で心配でふざけた事とかいらないからと言ったら、キスもいらねぇか？と返され、ときめきました。
心配だという俺の心を一瞬で変えた彼がすごいのか彼にそこまで惚れている俺が馬鹿なのか。



可愛くてたまらない恋人がどうしようもなく愛おしい、という話しがしたかっただけです。

珍しく日記を書いていると思ったら…馬鹿じゃないの。っていうか、馬鹿でしょう。
何つらつらと恥ずかしい事書いているんだか。この馬鹿、変態。
そう欲求不満になる程シてないわけでもないでしょうが。
いい加減、少しは我慢するって事を覚えてみたら？


いきなり押し倒してなんか来たら、どうなっても知りませんからね。





…別に、嫌だと言ってるわけじゃない。

去年の今日、９月４日に彼から告白されて付き合う事になった俺たち。
俺、付き合ったばかりの頃は君と３ヶ月くらいしか続かないんじゃないかなと思ってたんですよね…。
それが３ヶ月どころか１年もこうして一緒に居られて、変わらず愛して愛されて、なんて幸せでそれだけで胸が熱くなる。

つまらない事で頭を悩ませて、君を縋った事もあった。
下らない我が儘も、自分勝手な事を言った事もあった。
君はそんな事はないと言うかもしれないけれど、君には幾度となく弱い俺を見せていると思うし、それ以外にも情けなかったり不安だったり、色々な姿を見せて自分で自分が情けない。
だけど、それでも変わらず傍に居てくれる君に出会えて嬉しい。
俺を大切にしてくれる君と一緒に居られて幸せ。

君を不安にさせてしまう事もまた、あるかもしれない。
君を悲しませてしまう事も、あるかもしれない。
だけど、何があっても君を想ってる。
それだけでは許されない何かがこれから先にあるかもしれない。
だけど、それでも…
君を想ってる。誰よりずっと、君の事が大切です。
だから、


俺から離れるなんて許されないから。
これから先も、傍に居なさいよ。
愛してる

俺は幸せだ。
忙しさから言葉を交わす頻度は減ったけれど蔑ろにされた事はない。互いに会いたいと思い時間を裂き、傍に居て、愛しあっている。

分かってる。


だから、きっと気のせいなんだろう、俺が感じた違和感は。
きっと気のせいだ、距離だなんて。
何かと最近は神経質になってしまっているから色々と考えてしまうだけ。



下らない。
下らない話し。

どうか君は気にしないで。
気にする価値もない話し。



寂しくひとりで眠らせてごめんね。