「君と眺める夜明けの空が、いちばん綺麗だ。」
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あの謎掛けは、時間稼ぎだったのよ。
空が朝焼けに染まる前の、ほんのひと時。一面の青が澄み渡るあの瞬間にね、あなたの気を引きたかったの。ちょうど良いタイミングで降参してくださったから、薄明の空へあなたの視線を導くことが出来た。わたしも抜かりなく、その腕の中へ収まることに成功したわ。あなたが抱き締めたいとおっしゃっていた夜明けの空。一緒に眺めながら、こんなふうに抱き締めてほしかったの。
お話の中のトゥーランドット姫は謎掛けに答えられない王子を斬首するけど…わたしと言えば、あなたに首ったけ。もう、自ら首を差し出しているようなものね。