「君が、僕の着替えを手伝ってくれ。……着せて、シャツ。」
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着替えを手伝って欲しいと言われたのは二度目。だけど、以前はふたりの間には衝立があったの。痛くもないお腹を探り合って、黙り込んでみたりね。…でも、今は違うわ。きっと『まっさら』ってこういう気持ちなの。どこを引っくり返しても好きだし、好きの中にも好きしか無い。
わたしの指にも、髪にも、香水の移り香を仄かに感じて。そんな当たり前が今はとても嬉しいの。黙々と手を動かしているように見えたかもしれないけど……わざと、シャツをゆっくり着せていたのは気付いていたかしら。瞼の上に感じる視線が心地良いの。あなたが言葉もなく、わたしをじっと見つめていらっしゃるのが好きだから。
可愛らしいウエイトレスさんに要注意だわ!