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折針入れ
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987 :
淵累(累)
2018/01/30(火) 09:51
2018/5/2
世の中にとって私は要らなかった。
世の中にとっては、私を殺そうとした彼女よりも私のほうが要らなかった。それだけのこと。
分かりきっていたことじゃない。
生々しい人の息の音なんて誰が聞きたいの。
命をかければそれは誰も彼もが出来る事。いいえ、誰も彼もが見舞われること。
お伽噺に差すその私情なんて。誰が、そんなものを求めるの。
見せるのよ。完璧に。
私を睨んで逃さないその子にも。私を欺くべく私を知った、あの子にも。
当然の結果だわ。
でも、私はまだ。ーー…死んでいないのなら、そう見せなければならない。私が私を知るのを邪魔されないために。ことばで誂える物語に寄りやすい事実を削いで、見えて知ったことを掻き集めて知るの。
私は在るの。在ってしまった。
母の物語も、真実も、何もかもを反芻して。この先を見る。私にさえ私は見せた。だから、その次を私は見なければならない。
まだだわ。まだ、
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