スレ一覧
┗折針入れ(111-120/1000)
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119 :
―――
2015/10/21(水) 07:33
書き手は決して主人公にはなれない。
その代わり、誰よりも物語の幸せを願う。
後程。
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118 :
小_夜_左_文_字(刀_剣_乱_舞)
2015/10/21(水) 03:35
――今日は、墨の匂いの夢。
焼け朽ちた庭の央。
唯一の色彩を持つ姿として有るは具現した後の僕だけ。
薄墨の空。土色の粉塵のうねり雲と誂えながら未だ怒号の積もる其処は身に慣れたもの。
焼けた栽の処々青々と有る枝を抜いて其れの蓄えた木の水を半紙にこする。
炭と、塗られた薄い緑の喉から絞る叫び声にも似た掠れと、滲ませる湿り。
酷く痕の付けた蹂躙された文字の綴には繊維の辛うじて繋ぐ擦れ汚れた歪みの、欠けた墨の意地とばかりに其処へ字を穿つ。
爪痕にも似た殴り書き。
夜に冷やした木の字の指先になぞり喉に落として熱を与える。
#染め、物。
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117 :
白澤(鬼灯の冷徹)
2015/10/20(火) 23:30
此の万物を見る目は全てから逸らせるものではない。
此の万物を知る身体は全ての音から逃げられる筈が無い。
耳を塞げど、目を瞑ろうと。肌に、体に、骨に、肉に。世の響きが分かる。
どうあろうと、何処迄逃げようと、号ぼうと喚こうと己の声を擦りぬけて体に流れ込んで来る。
此れとよく似た性質を持つのが人の子なのだと、小さな体を抱いた大王が言った。
――…、
目を肥やせ。耳を澄ませ。
目に入る物は良くも悪くも全て自分のものになると知れ。
耳に入る物は、何れその喉と舌を染めるものともなると知れ。
君が鬼で在る為に。君が、優しく在る為に。
それでも、少しの祈りを込めて。
眠りに差し込む、ささやかな祝詞。
のろいは込めない、只の、簡単で素朴な耳を滑る言葉。
#数百年前の忘備録。
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116 :
鬼灯(鬼灯の冷徹)
2015/10/20(火) 23:16
幼い頃になんとなくで耳に挟んだ言葉を
音で覚えて何かの折に目に文字として映しては漸くと意味を知るという不思議な状況に多々遭遇する。
幼い体に鬼火を得た其の後の目まぐるしい数日の過ぎた頃。
鬼の体力の底を知らず身を尽くし燃やし切っては昼下がりに木陰で得た小休止。
影に落ちる細やかな木漏れ日は、不毛と成り果て眠る度に砂ぼこりに噎せた現世とは違う穏やかなもの。
親の知らない耳が其の旋律を物珍しく傾ける。
口ずさむ旋律は柔らかく体を打つ優しげな子供扱いに相俟って、伏せた瞼を許した。
慣れた調子で口を吐く異国の言葉と、不慣れに噛み砕いては又確かめるように舌足らずが紡ぐ。
――…、
感謝なんか、してやりませんが。
言葉の意味を教えてやらずとも、耳に残しておくべき言葉の意味と理由を知ったという忘備録。
其れをそれと輪郭を持って言葉と意味を知り明瞭に思い出したのは今でも、
何処かしらで知らずと私に根ざして息づいて居たものとも思う。
どうせ解らないだろうからと諦めるでもなく、教えるでもなく、只残してやるだけのささやかな寄り添い。
嗚呼、ぞっとしませんね。
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113 :
一_期_一_振(刀_剣_乱_舞)
2015/10/20(火) 13:14
思い出すのとはまた違う。
曰く、眼窩の奥に叩き付けられた景色の欠片は幾ら体の何処其処に働きかけられれど瞳に映る景色があれから随分と違いすぎる。きっかけと体の中枢を穿つ杭の儘に動くは既に求める先は、焼け落ちて跡形も無い。
秋風に誑かされた花の香を頼り、風を読み其のもとを辿るも探しに見回し目まぐるしく変わる景色は其れを塵と消し去って、只悪戯に背を押され駆けた姿に掛かるは。
鋼の身には無い、他でもなく私の名を呼ぶ声。
あの頃は、喩え折れたとしても私の名を呼ぶ者なぞ居なかったでしょうに。
相俟ち失う手掛りは翻り秋の高い空に溶ける。
――…依代のして永らくと過せば過ごす程、ある一点と掴んだ記憶は未だ鮮やかな、弟達に囲まれ名を呼ばれる其処へと落ちる。
今は昔と、歩みと共に殖える記憶。其の昔昔の鋼の姿を肌と居た頃を、又此の身に落とすには。映すには。
此の身を其の場へ飛ばせぬならば歩む刻のひとつひとつに切願を掛ける。
月の巡りと運ぶ四季折々の花の盛の重なる、或るひとつの頃には。
私が折れたとしても、主の名を号う頃に身を落とすことが出来ましょうか。
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111 :
小_夜_左_文_字(刀_剣_乱_舞)
2015/10/20(火) 06:20
刃の滑るなり弾ける血と肉、
差した切れ目を癒えるよう濡らす止めどない潮。
刃を咥えた締りの良い狭い滑りに喉を鳴らして呼吸を噛む。抜き捨てる。
打ち捨てられた命の包の荒く息吐く最後のひととき迄眺む。
鈍く重みの落ちる音と、地から浮く厚みに、それが生きていたのだと。
立って息をしているのが正しい拵えをしていたのだと、眺む。
どの境目に、救いとあるのか。
刀の僕にはわからないけど。
#夢見。
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