バレンタイン、今もよく話すあの時の話。
出逢ったばかりの頃、僕が「傑に贈りたいチョコがある」って言った時の反応。

「その頃、贈り物を贈り合ってもいいと思える関係性になってたらな」

僕も傑もそんなニュアンスで記憶してたけど、バレンタインを機に、当時のやり取りを遡ってみたら、

「もし二月まで縁が続いてたら、その時にまた強請るよ。そうなったら、恐らく私もお返しをしたいと思ってるはずだけどね。」（ほぼ原文まま）

っていう、とんでもなく柔らかい返答だった。
なんだ……記憶と全然違うじゃん。
僕の記憶なんて当てにならないな…と改めて思った。
増えた思い出の分だけ、忘れていってしまうのは仕方のない事だけど、嬉しかった事、楽しかった事はなるべく覚えておきたい。
〝日記〟なんて仰々しいものにすると続かない気がするから…、面白かった事だけでもカレンダーにメモっておこう。
既に記憶と違うもの、たくさんあるんだろうなぁ。

ちなみに、今年もらったクッキーも、相変わらず馬鹿みたいに美味しかった。
売り物みたいどころか、売り物を超えてるんだよね。
あんなにサクッとホロっとほどけるクッキー、他に知らない。
…………すごい。

社会の単位って、どんな塊で数えようとしても自分という個とその他っていう塊にしかなり得ない。そんなこんなで人ってものは本質的に一人なのに、悟と居る時間だけは私の主観での"個"の単位がふと曖昧になって、一人じゃあなくて二人になれる。


　　▼


ベッドの良し悪しって別にホテルの値段帯やランクに直結している訳じゃないって最近身に染みて分かってきた。いや、びっくりしたね。硬いマットレスは……良くない。

あんまりエロい顔見せられるとまたそういう気分になってしまうかも、って揶揄ったらほっぺ赤くしながらポカンとして「あ、あんなにシたのに……」って言ってたけれど、君ねえ、そりゃ好きな男のエロい顔になら私も無限に欲情できるよ。例え昨日じっくりたっぷり抱かれていたとしても、だ。


　　▼


外泊の予定を立ててる段階からもう当日が楽しみになりすぎて「楽しみすぎて怖いよ〜」と喚きだす流れ、何度やっても延々と可愛い。

私の人生に悟が居てくれて良かった、と思う瞬間が多くある。
特に何があった時って訳でもなく例えば風呂に入っている時や帰りの車の中、ごく自然に悟の事を考えてはそう思うって話。
こんなに当たり前にそばに誰かが居るような生き方を自分が選ぶなんて思っちゃ居なかったけれど、その理由はひとえに"悟だったから"に尽きるんだろうな。親友であり、恋人でもあり、私の魂そのものを愛してくれている男。

最愛の人のそばにいられる人生。
一昔前のJ-POPなら「そばにいたい、それだけでいい」なんてまるで殊勝な物言いのように歌われそうな一節だけれど、実感を伴った今なら思う事が多々あるよ。生きる道にはそばにいられなくなる理由のほうがきっと多く転がっていて、大切にしあうことや只管そばにいることは思ったよりも難しい。
得難い幸福となんでもない日々に感謝しないとね、本当。今だけじゃなくて、これからもずっと。


悟にも伝えた事のあるセリフだけれど、もう一度書いておこう。「私の"ずっと"は一生って意味」だよ。

セックス気持ち良すぎて日記に書いちゃうのはちょっと可愛すぎないか？ 大丈夫？

でも本当、気持ち良かったね。正直言って毎度悟のアレがアレすぎてなんでもない時もアレ自体がエロく見えてくる時があって困ってる。
いやこういうの、他の皆の日記みたいに折り畳んでちゃんと書けばいいじゃんって話なんだけどね……恥ずかしいから。本人には後で伝えようかな。


隣を歩くようになって丸四年が経った。長い時間を共に過ごしたけれど、今も惰性じゃあなくて「新鮮な」なんて言える愛情を互いに向けていられること、それを言葉で伝え合えることをいっとう嬉しく思っているよ。
一番の親友で最強の相棒で素敵な恋人。いつもありがとう、悟。五年目もよろしくね。