「ホラー苦手だよな。スプラッタは？」
「楽しくはねえな」
「ふうん。スプラッタみてーにされるの、あんな嬉しそうなのに？」

たしかに。（納得の顔）

はー笑った笑った、脱力。ぶっちゃけもう自分のズレを元に戻すの難しいかなって思ってたからな……ショック療法みてーな感じだったけどなんとかなりそうでよかったよ。
安心のあまり、なんか碌に眠ってねーはずなのに推理もバチバチに冴え渡り、今日の事件はRTAみてーな解決を見たわけで。我が事ながらわかりやすすぎるんだよな。

クソ追い詰められて憔悴してる時こそ相手が冷静でいてくれるのが本当に助かる。
オレもそう在れるようにしねーとなー。自覚してる悪いとこなんだ。アップダウン激しいし、情緒が乱れれば乱れるほどに意図して言葉を固くして、コミュニケーションが四角くなっちまうのは。


でも、信頼してくれてありがとう。愛してくれてありがとう。大事にするからな。
好きだよ、誰よりも一番。お前のことだけが。


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「新一はオレの中ではさあ……クレオパトラじゃん。クレオパトラが町娘に嫉妬したりはしねぇと思ってたんだよ……」

お前なあ……クレオパトラも自分の宝物にべたべた触られたら相手が町娘だろうと「なにやっとんじゃワレ」ぐらい言うし警戒もするだろ。
そもそも、お前の中のオレってクレオパトラなの？
初耳なんだが……。

いや、うん。わーってる。他のヤツとは格が違うってことを言ってくれてんの。うん、そうだな、オレん中でもそう。誰とも比べるべくもねーや。
なんで自分の中では当然みてーにある価値観のこと、相手の中に存在するってなかなか信じられねーんだろうなあ。

今度からはオレが嫉妬しねーように「新一はクレオパトラだけど、」から話を始めるように言っといた。ぜってー笑っちまうけど頼んだぞ。


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寝る前に渡された暗号が解けねー。くっそ……。

考え方の差異。価値観の差異。ホントに今のオレにはわかんねーんだなって思うことがある。目の当たりにすると心臓が冷えるような、ここに立ってるはずの身体がズンと一段暗いところへ沈むような。
咎め立てする理由は全くない。弁えるべきことだ。

真実から目を逸らすとき、負けた気分になる。
言及されなくてもその事象が確かにそこに存在してるってことが分かってる以上、言及を控えることに意味があるのかどうか。
いくら「知らないことは存在しないのと一緒」っつったって、妄想でも想像でもなんでもなく、オレは "知っている" わけで。
ずっと咀嚼してたらこの憂鬱も甘く感じられるようにならねえかな。早く壊してほしい部分。


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あんまり見られるわけにはいかねー日記になってきた。オレの脳とインターネットが直結してる以上こうなるだろうと思っちゃいたが。
ともあれアイツがここを見つけることはねーだろうが。

ただ、アイツは春から変わらず魅力的で、オレは秋から変わらずアイツを愛してるってことを記しておく。

あーもー、今朝の「ねむい……あと一時間だけ……」の時、一時間後に起こしてやるよっつったのに自分で起きてきやがって。
くっそ……いや、えらい、一時間きっかりだったな、えらいぞ。ひとりで起きられるの、えらーい……（コウテイクドーちゃん）



夜になってから、オレがびっくりさせて起こしてやろっかなって企んでたことを零したら「……起きなきゃよかった……」とか言って突っ伏してたのが可愛かったから許した。

基本的に「いつ離れても大丈夫」って思える距離感でしか他人と接したことがなかった。友情か愛情か、関係の種類は問わず全ての人間関係において。
ふたりの間にあるかもしれない未来の話はしないように努めた。来るかわからない未来の話をしたとして、それが嘘になってささやかな未練が生まれてしまう瞬間が来ると思えば、オレは恐怖に勝てそうになかったから。

たぶんオレは誰にとっても当たり障りのない思い出になりたかった。それどころか、できれば忘れられたかった。


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たしかにあの瞬間オレは、このままお前をずーっとここに繋ぎ止めて大丈夫なのか？　って考えてたな。
お前にとってここは窮屈になってねーかな、って。
つまり、今までお前がしてきた生き方をオレのために変えちまってるのが本当にいいことなのか。そこがよく分かってねーんだよ、たぶん。