ミスラちゃんとオーエンちゃんのふたりが魔法舎を半壊させたので、我とホワイトでこってり絞り上げてしまおうと元気よく腕を振り上げた。イキイキとしているホワイトちゃんがなんと可愛らしかったことか……ほほほ。我が大人の姿で、部屋の中で抱き上げながらその場で十周もターンを決めてしもうた。賢者にも秘密にしたおしおき、ブラッドリーにこっそり囁いたら白目を剥いちゃった！ああいうのをウブって言うんだよね〜！ね、ホワイトちゃん！お仕置きの内容が知りたいとな？おぬしは任務に出ていて見ておらんかったか、教えてやろう。我がミスラ、ホワイトがオーエンに姿を変えて仲良しこよしするところを見せてやったのじゃ。おててを繋いで、まずは修復された魔法舎の中をひとまわり、それから裏庭から森へ歩いてピクニックじゃろ、それから街に出てそれはそれは仲睦まじくカフェでパフェとサンドイッチを食べさせ合いっこしてやった。ほほほ！なんと穏やかで、あまあまな時間だったことじゃろうて。その代わり、あの二人には我らの姿を被らせて楽しんだぞ。もちろん見えぬ拘束を施してな。普段ちょ〜っと激しい喧嘩をしている人物と自分が目の前で、己の意思を伴わず好き勝手されるのは苦痛じゃし……たぶん。まぁ、途中から我ら二人ともすごく楽しくなっちゃって！「またそんな悪魔じみた教育を……」ってフィガロちゃんに言われたから、仕方なく終わってあげたんだよね〜？ホワイトちゃん。また同じおいたをするようなら、次はもっと、親密に仲良くしているところを見せてやるとしよう。

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ほほほ！我らの日記にしおりを挟んでくれるとはなんとも嬉しいことじゃ。そなたの日記の一ページ目に、小さな文字を発見したのは運が良かった。まぁ、我らはわりといつも覗き見しちゃってるからなんだけど……やはり喜ばしいものには変わりない。今後ともよろしく頼むぞ。中央の国の騎士、カインよ。

今日はね、討伐の依頼だったんだ。犬と、猫と、鹿と、魚が混ざり合ったような気味の悪い魔獣。元々弱かったのに強い魔力を求めて手当たり次第に血が通っている生き物をなんでも取り込んだんだよ。賢者様が言う、キメラってああいう生き物を指すと思う。……もう狩りもできない身体で、そもそも身体がすみかに適応出来ていなかった。双子は最期に声を聞いてやろうとしたけど、その声を聞くのは僕だしあんまりにも気が進まなかったから鳴き声が出る頭だけバラバラにして言葉を聞いてあげた。咎められたけど、おまえたちだって最期に結局目的を達成するんだから責められる義理はないよ。やっぱり殺してあげないとね。

ボンソワール！どうやらミズキの後輩くんが、ラーメン選びならとことんこだわるよ、オレにすべて任せて！と言い忘れたようだからひっそりと残しておきます。ミズキ、ラーメンって食べたことがないのよね……フランスではパンがほとんどだったけれど、たまにパスタも食べていたわ。でも初めてテレビでラーメンを見た時、その食べ方に驚いたの！まさか啜って食べるモノがあるなんて！はばたき学園には食堂があるでしょ？ミズキはいつもギャリソンのリムで外へ食べにいくか、うちのシェフが作ったメニューを食べるかの二択だから……他の生徒が食べているところを見たことがあるくらい。あら、あなたは食べたことがおありのようね。明日はミズキのランチにお供させてあげてもよくてよ？新しく見つけた職人の焼きたてクロワッサンとカフェオレでお昼を楽しみましょうよ。言っておきますけど、ミズキは遅刻が大嫌いですからね！それじゃ、オルボワ！

はば学の図書室の面白いところは歴代の卒業アルバムも揃ってるところかな、卒業生として有名な葉月珪や三原色の年のもあるからね。ほら、ここの集合写真とかみんなぎゅ〜〜とくっついて写ってるでしょ？なんだか楽しそうだなぁ。この二人の隣にいる女の子もいい笑顔！オレたちが卒業するときも、こういう写真撮るのかな？……そのときは、君の隣で写りたいなって思うんだ。なんだろ、写真なんていつでも撮れるのに。だー、こんなこと考えてたら頭の中いっぱいになっちゃった！そうだ！今度、オレたちお気に入りの博物館にまた行こうよ。あそこに卒業生の絵画も飾ってるんだよ？実はさ、寄贈してから一度本人が勝手に描き足したっていう話があってさ、あはは！そそ、ピポピポーン！ここに写ってる三原色の絵画だね。オレ、芸術面で君が面白いって感じる話ができるか分からないけど……でも君はいつだってオレの話をちゃんと聞いてくれる。そういうところが───、……あれ？今、なんて言おうとしたんだろう。

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わ〜〜！！！リョウくんだ！！！……と、思ったらいてもたってもいられなくてつい、日記を更新しちゃったんだ。ごめん！こうやって私信みたいにしちゃうといつも優しく言葉を返してくれる君だからこれも言うか迷ったんだけど、えっと、日記の雰囲気壊しちゃうしこれに対して返事は大丈夫だからね！いつもありがとう、リョウくんのおかげですごく楽しいよ。

生の蛇と丸焼き、どちらがいいですか？って馬鹿な質問をしてきたから、こいつも今日という日を楽しんでいるのかなとムカついたんだけど全然そんなことなくて良い気分になっちゃった。昔からあんなゲテモノを僕に食べさせようとしてくる記憶が蘇って尚のこと嫌だったし、丸焼きも案の定黒焦げで消し炭一歩手前なのもあって賢者様に対応を投げたんだよ。……でもなんだか、後からそれも気に入らなくなってミスラが来るよりも先に賢者様を空に打ち上げてやった。だって僕に「空が飛べる」なんて嘘をついたんだから。あはは、まだ空を漂っていたりしてね。

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騎士様の姿を被った魔法使いがいるなら、蜂蜜と朝焼けの光を溶かして混ぜたみたいな夏の花のような瞳をこさえながらどんな話し方をして、どんな癖をうっかり動作にこぼすのか見ものだな。面白いからそのままにしておいて、油断した頃に僕がとびきりの笑顔を向けてやるんだ。ほんとうに、面白そう。そんなことを話していたらミスラに「あなた解釈違いに対して過激ですよね」なんてぼやかれた、知った気になるなよ。