『何代にもわたって受け継がれた、知る人ぞ知る伝説の焼きいも屋さん』の存在を君たちは知っているだろうか。どこからともなく現れてランダムに移動するにも関わらず行列ができ、ほとんどの者は売り切れで項垂れながら来た道を戻るという、あの焼きいも屋さんだ。零くんに教えてもらった年の秋は、公安独自のデータ集計により出現場所を割り出してRX-7を爆走させ、なんとか売り切れ直前で焼きいもを手に入れることができたんだったな。「ふふ、だから熱いぞ～って言ったじゃないですか！」とかわいい笑顔を見ながらあつあつの焼きいもをふたりで食べた夜…懐かしいなあ。
今年も伝説のやきいもやさんに会えるかな？と零くんと話していたらものすごく食べたくなってしまった。必ず捕まえよう、あの伝説を。そしてたけのこの炊き込みご飯も作ってほしい。君と過ごす秋や冬が今年も楽しみでたまらないよ。また零くんをジャケットの中につめこんで仕事をする季節だなあ。

#「あかいも」と「れいも」「ふるやきいも」
焼きいもの話からまた呼び名が増えてしまった。「ふーるやーきいも～れいもっ」という声が聞こえたら行列を弾き飛ばして俺が独り占めしてやる。

普段から好きで好きでたまらないのに、たまにその気持ちが収まりきらなくて僕の中からあふれだしそうになることがある。今までに何度もあったけれど、でも実際に手遅れになることは一度もなく未遂に終わっています。なぜかというと少しの勇気を出して赤井にそれを伝えると、両腕できつく抱きしめながら唇で塞いでくれるから、何とか。すんでのところであふれずに済んでいるんだ。あいつにいつも助けられてる。
捜査中、無性に赤井のことが恋しくてたまらなかったんです。全部片付けたら赤井…！と頭の中で呪文をとなえつつ職務を全うしたはいいものの。帰宅した後になって気が緩んだのか、考えていたあんなことやこんなことがついぺらぺらと言葉になってしまって。口がよくまわるのって僕の長所でもあり短所でもあるというか…！僕が赤井に甘えている、ということも大きな要因なんだろうけどね。「もうさみしくないよ、俺がずっとそばにいるからな。」と抱きしめてくれる僕の恋人の体温が、いつも以上にあたたかく感じた初秋の穏やかな夜の話です。
>はやくあなたにいっぱい触りたいし、伝えたい気持ちがまだまだたくさんあります。今夜のデート、楽しみにしてますね！

「俺のほうがだいだいだいすきだ。」
「！？僕のほうがだいだいだいすきだ！！」
「しかし俺はさらにだいだいだいだいすきだ。」
「なんでですか！？かたくなだなっ…！」

客観的に見ると幼稚園児の言い争いみたいだな。毎朝捜査本部に向かう前に欠かさず大好きだよ、と伝えあうのが習慣になっています。好きってすごいよな。今日も一日がんばるぞー！という力が驚くくらいにみなぎってくる。
しかしですね、昨日は冒頭の言葉の通りなぜか赤井が俺の方が〜！というもの言いをしてきて。かわいい。とてもかわいくて僕の心臓が危ういんだけど、今までにこんな風に強気に張りあってきたことってありましたっけ？どちらかと言えば普段は僕が張りあって赤井がどうどうとなだめてくれることが多いので、ときめいちゃったじゃないですか。僕だって赤井を好きな気持ちで負けるつもりは毛頭ないので、全力で物申しておきましたよ！秀一、今日も誰よりも愛してる。あなたのことが大好きだ。

「赤井にひとつ物申したいことがあります。」
昼休憩になると同時に俺をきっ！と強く見つめながら（かわいい）口を開いた零くん。サボっていないぞ！？と午前中に目を通していた書類を丸ごと証拠として提出しようとしたのも一瞬のこと。零くんの物申したいこと、何とそれは…零くんは俺のことがだいだいだいすきだ！ということだった…。（かわいすぎる）
そういえば朝に俺が「俺のほうがだいすきだ」という言い方をしたんだ。いつもはそんなふうには言わないんだがな、昨日はこの想いは零くんにも負けん！という熱い気持ちがめらめらと燃えていたんだろうか？とにかく、それで「僕のほうがだいだいだいすきだ！」と真っ向から物申してきたというわけだ。気持ちは互角だが、ふっ、かわいさでは圧倒的に負けたな。君を想う気持ちがもっと大きくふくらんでしまったから、君にももっともっと俺を好きになってもらわなければ。今日も君を世界でいちばん愛してるよ、零くん。

「零くんは俺のかわいい奥さんだから全世界に許される。」
赤井の特別扱いというか、ひいき具合がすごい。こんなことでも褒めてくれるんですか？当たり前のことをしただけなのに！？とこっちが間抜けな顔をしてしまうくらいでね。全世界に許されるかどうかは定かではないけれど（もしかしたら風見あたりが降谷さんそれは駄目ですよ！！と目を光らせてくるかもしれない。）、とにかく赤井は許してくれるそうです。好きな相手を甘やかしたいと思う気持ちはとてもわかるんだ、僕だってそうですからね。この甘さにいまだに少し照れてしまう自分もいれば、たまらなく好きだなと頬を緩ませて寄りかかってしまう自分もいる。赤井が甘やかしてくれるから僕ね、日に日にわがままになっている気がするんですよ。大丈夫ですか？王様みたいになってないよな？？僕も今以上にあいつのことをどろどろに甘やかしてあげたいなあ。また一週間、力を合わせてがんばろう！愛してる、秀一。