いや、俺が気持ち悪い夢を見ているわけではない。現実としてそうなんだ。生えたとしてもふわっとした子猫のわたげのようなもので、薄目でよくよく見ると「まあ…ある……うーんごにょごにょ、あ……るかな?」くらいの、ほとんど目立たん髭だ。俺はそんな零くんがかわいいと思うんだが、俺が毎朝剃っているのが羨ましいらしくてね。「僕も赤井にじょりじょり攻撃をしたいのに。」とぶつぶつ言っていた。かわいい子だろ?未だに一日一回は驚いてるんだ、こんなにかわいくて俺がそばにいない間よく生きてこられたなと…。つるつる攻撃は最高だった、またやってくれ。髭など生えなくても君は世界でいちばん男らしくてかっこいいよ、零くん。今日の半袖から覗く力こぶはセクシーだったな…。
#message
日記の消失を悲しんでくれた君や、すぐにおかえりと声を掛けてくれた君たち。ありがとう、心強くてとても嬉しかった。簡単になるがこちらからも声を掛けさせてほしい。零くんの日記に何度か顔を出していたが、これからは俺も我が物顔で書きにくるので、彼ともどもこれからまたよろしく頼む。
「おかえりなさい」と言ってもらえるのって、こんなにも心があたたかくなるものなんですね。声を掛けてくれた方、本棚に入れ返してくれた方、本当にありがとうございます。嬉しくてすぐ赤井に報告しちゃいました!また時間を作ってお返事させていただくつもりです。
「嘘だあ!もっと男らしい顔ですよ。ゴ○ゴ13もびっくりのな。」
今更なんなんだ!?とヒップアタックされそうだがそれでも構わん。1ヶ月ほど前に聞いた零くんのこの発言がかわいくて、いつか書いてやろうと胸の奥であたためておいたんだ。これは確か零くんの写真をふたりで見ていて、ちょっと童顔に撮られてないかと訝しそうな顔をしていた零くんに、俺が「毎日この顔だが?」と返した時の一言だな。三大天使の一人か?(あとの二人はもちろん安室くんとバーボンだ。)言っておくがゴ○ゴはこんなかわいいことは言わん。まあたとえ零くんが奴のような顔でも俺は永遠に愛し抜くがな…。百発百中のヒップアタック、待ってるよ。
ジャムってきらきらして宝石みたいだよなと君が隣でかわいく笑うから、俺はきっと今朝、君手作りの宝石をパンに乗せて食べたんだ。昨日の荒れっぷりとは比べものにならんほど穏やかで幸せな朝を迎えられたなあ。眠る前に今日はキスの日だと聞いてたくさんキスをしているんだが、いつものことなのであまり変わりない。俺たちはエブリデイキスの日だ。
零くんが書いてくれた通り、昨日から心機一転、ふたりで日記を書いていくことにした。予定より数日早まったものの、昨日は3年記念日のプレゼント開封式が開かれた日だろう。もはや記念日も同然だからむしろ大正解なんじゃないか?またふたりで一冊の日記を持つことができてうれしいよ。零くんは俺にだけ著作権フリーなのでね、これから君のことをどんなことでも書き残していくつもりだ。
ちなみに俺がもらったプレゼントは最初に書いた手作りの宝石ジャム(オレンジ)と、裏に『S&R』と刻まれたとてもスマートな腕時計だ。婚約指輪と同じ刻印、つまりこれこそが俺たちの結婚指輪なんじゃないか…!?と、嬉しすぎて家の中だが今も身に着けているぞ。気付いたかな?零くん。お掃除中の君の邪魔にならんようにやや離れたところからのさりげないアピールに留めていたんだが…。
昨日の開封式はほんとうに楽しかった。メインは腕時計たちだが他にも色々なものが箱いっぱいに詰め込まれていて…ああ、すごい、どれもが俺の宝物だ。ほんとうにありがとう。世界でいちばん君を愛してるよ、零。
最後に大事なことをひとつ聞かせて頂きたい。チュロスとは素人が家で作れるものなのか?チュロス修行の旅には君も連れていくぞ。チュロスと言えばそうだな、手始めにどこかのテーマパークにでも行くか。今朝君が夢に見た、かわいいケースとポップコーンセットを持ってな。
赤井にチュロスを作ってもらう夢を見たんです。揚げたて熱々でかなりおいしそうだったからまた作ってください!と現実の赤井にさりげなく無理難題を押しつけておく。今レシピを調べようとしただろ、お見通しですよ。
今朝は血相を変えた恋人がめずらしく声を荒らげながら零くん起きてるかと起こしてくるから、何かと思えば僕が綴っていた日記が丸ごと消えてしまっていて。朝っぱらからいい歳をした男ふたりが涙を滲ませながら落ちこむという…!びっくりしたよな。今思い返しても心臓がばくばくする。
あの日記帳の中には僕が赤井に伝えたいと思った気持ちをぎゅっと詰めこんでいたのはもちろんのこと、赤井が僕のためにペンをとって書いてくれた言葉が何ページもあったから悲しくて。本当は3年記念日を迎える26日に新しい日記を作るつもりで着々と準備を進めていたんだけど、赤井がすぐに作ろうと言ってくれたんだ。申し訳ないと思う反面、すごく嬉しかった。秀一、ありがとう。
さて。落ちこんだのは事実ですが過去の話です!僕たちがおたがいを想う気持ちが消えたわけじゃない。むしろ日に日に増すばかりだ。そういえば今日もとても嬉しいことがあったんですよね、赤井。ねっ!ふっふっふ、まだ僕は顔が緩みに緩んでにやけてますよ。見るか?
そんなわけでこの嬉しい話に関しては次回以降のページで書かせてもらうとして…心機一転して今日からまた赤井とふたり、この場所をお借りして一緒に綴っていきたいと思います!よろしくお願いします。
>本棚には元から愛読していた日記と、こっそり読ませていただいていた日記を追加させてもらいました。交流は鈍足なままですが、また皆さんの素敵な日記を覗かせていただけると嬉しいです。
それからウラノメトリアの戦場ヶ原さん、心配を掛けてしまってすみません…!気付いてもらえるかな。君と再会してまた言葉を交わすことができて、僕も本当に嬉しく思っていたんだ。ゆっくりお返事をさせてくださいね。