手がべたべたになってしまったという事実だけを以前ふと聞いていたんだが、その原因がついに明らかになった。ジャムを作るためにオレンジの薄皮を剥いていたから、らしい。俺に内緒で作ってくれていたものとはいえなぜ俺はその場にいなかったんだ。俺のためにがんばってくれた証拠がついた手だ、俺が拭ってやらずにどうする?……困ったように手の汁を舐め取る零くんを少し離れた場所からじっくり眺めるというのも、正直なところ良いものだが…。
意外と大変だったんですと照れ臭そうにする君が愛おしくて仕方ないよ。ちなみにジャムは今朝ヨーグルトに混ぜて食べて、おそらくあと一食分しかないんだが…悲しくて今日は仕事が捗りそうにないので、ずっとそばにいてその大きくて愛くるしい目を光らせながら見張っていてくれ、零くん。
「なんてヒップアタックだ、これを連続で食らったら負けてしまうぞっ…。」
僕に突き飛ばされて嬉しげなでれでれの顔をする赤井がかわいくて仕方がない話を。僕の闘いかたとしては手招きをしておびき寄せたり油断する赤井をどんっ!と全力で押し返すだけなんだけど、どうにもあいつはそれが好きらしくて。そういう性癖なんですかね?結構ディープだよな。
これをはじめてしたのは、メアリーさんたちにお付き合いのご挨拶をする際に手土産にしたナッツクッキーを作っていた時でしたっけ。あの時も喜んでいてすごくかわいかったです。ふふふ、百発百中記録をまた更新しちゃいました。赤井はいかついゴ〇ゴ顔の僕でも愛してくれるそうなので、これからも安心して悪い顔を見せていこうと思います。
#いただいた私信、しっかり見ています!
嬉しいな。近々お返事を。
アズールの作った『むち丸』っていう羊毛フェルトのうさぎがいんだけど、約束通りこの前のプレゼント開封式でオレの『すらっと丸』と交換したんだ。でっかい耳がついてて、そこ外したら二頭身くらいの丸っこくてむちむちしたやつ。オレのモデル級ボディのすらっと丸より10kg重い。丸いのがふたつくっついてるこの後頭部と尻のフォルムがめちゃくちゃ好きなんだけど、分かる!?あとさ、そんなことないよって言うとこなのかもしんねぇけど正直に言うわ。やっぱすげーむだ毛多い。でもそこが良いの、オレこいつ大好き。アズールにむだ毛はねぇけどオレだけが知ってる隙っていうか、そういう感じがそっくりじゃん。やっぱかわいい奴が作るもんって何でもカワイくなんだね、は~~。
オレがアズールのお願いを叶えんのは、目の前が一瞬で眩しくなるあの嬉しそうな顔が大好きでたまんないから。お返しはぁ、フロイド!好きっ!っていう気持ちがいいな。明日もいっぱい甘やかして、よしよししてね。
「キスの日なんだよね、今日は…♡かわいい、いっぱいキスしよう、アズール。」
今日はキスの日、僕たちは公私共々こういった「〇〇の日」や季節のイベントごとには積極的に乗るタイプだ。何より番と特別なことを楽しめるのは嬉しいですし、ラウンジでは特別メニューを提供するたびに売上が倍増……失礼。日記に書くにはあまりにも下世話な話でしたか。嬉しい帳簿の記録はジェイドにでも見せておくことにしましょう。
たしかに僕たちはエブリデイキスの日と言っても過言ではないほどに、毎日隙あらばキスをしています。でも、せっかくならあやかりたいと思うのは当然のことでしょう?キスの日。ですから昨晩眠る前に、あわよくばと言う気持ち全開で伝えてみました。フロイドはいつもそんな僕の言葉を忘れずに覚えていてくれて、願いを叶えてくれる。優しくて愛情深い彼のことが大好きで大好きでたまりません。キスの日でも、そうじゃなくても、これからもたくさんキスしましょうね。
何やら赤井がとんでもないペースで様子のおかしい日記を書いていますが(死ぬほどかわいい)、僕もまずは昨日のプレゼント開封式のことを書こうかな。ちなみに僕に髭は生えます。ちゃんと剃ってますよ!身だしなみですからね。本人も書いている通り夢を見ているんだろうな。
赤井が僕のために準備してくれたてんこ盛りのプレゼントはどれもこれも素敵で、僕が大好きなものばかりでした。嬉しくてたまらなくて、メインだという一番大きな箱を開ける前に心臓がとまってしまいそうだったんです。なのでヒントをください!とねばってみたところ、「零くんみたいなものかな?」という曖昧な返答をもらって。色味が似てるのか?それとも感触が?とあらゆるものを想像しながら箱を開けてみると、中にはふわふわとした手触りのかわいいティディベアが2匹。片方の子はタキシード、もう片方の子はウェディングドレスを着ていて、それだけじゃなくまるまるとした足には僕たちが迎える記念日の数字が刻まれている、とても素敵なウェディングベアでした。嬉しくて、かわいくて仕方がなくて。この宝物をどこに飾ろうかなあと今も部屋中を見回りながら悩んでいる最中です。